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2014/05/27 国際親善試合 日本代表 vs キプロス代表

日本代表 1-0 キプロス代表


会場の外で行われていたPK戦イベント。
GKは元日本代表・小島伸幸氏

1-0でキプロス代表に勝利。
W杯本大会1ヶ月前の親善試合で求めるのは、勝利でも内容でもありません。選手がケガをしないで試合が終了する事だけです。
心配された長友の負傷交替も本人曰く「軽傷」との事なので良かったです。

国内合宿で体力を追い込んでいる時期。選手が動けないのは想定内です。
相手のキプロス代表も、W杯本大会出場する相手選手にケガだけはさせたくないので、局面での競り合いは激しく行きません。

そんな中での試合ですが、気が付いた点がありますのでピックアップしてみます。

まず、柿谷。 日本代表がやりたいサッカーと柿谷が求めているサッカーの間に未だに大きなギャップがある事が感じられた試合でした。
日本代表がボール奪い取り、ボランチ辺りにボールを預けた段階で、柿谷は動き出します。
しかし、ボールはパスされません。
日本代表はMFでボールを回し続けるのが目的になり、柿谷をまったく見ていません。
ボールがキプロス代表のペナルティーエリア近くに到達した時には柿谷のいる中央はキプロス代表の選手でスペースがない状態になっています。

この状態でも柿谷の足下にパスを通せばテクニックがある柿谷は数的不利の局面を打開出来るはずです。
でも、日本代表選手はまだ柿谷を信頼していないようで、相手に取られるリスクを考えてパスを出しません。

結果、柿谷は自分のタイミングでパスが出なく前線でウロチョロしているだけになります。
パスされる時にはライナーではなくロビングで緩いパスです。このため、キプロス代表の身体の大きな相手に詰められチャンスにもなりません。

柿谷を活かす方法を示したのが、同じセレッソ大阪の山口螢です。
1点目につながったのはボランチの山口螢からDFに囲まれていた柿谷への低い早いクサビのパスでした。
このパスが緩かったら柿谷の回りにいるDFに取られます。また、他の選手には強過ぎるパスでもテクニックのある柿谷は難なく収めます。

柿谷を活かすなら、このようなパスが必要です。
あと1ヶ月で日本代表のMFの選手がこれを理解出来るとは思えません。
となると、柿谷を使う必然性がありません。
むしろ、大迫のように高いボールも収められるFWの方が、今まで積み重ねてきた日本代表のサッカーにフィットすると思いました。

柿谷と交替で出場した大久保。
大久保はサポートの期待が高く、交替要因としてピッチ脇に出てきた時点でスタンドは大久保コールで盛り上がりました。

この期待通りに大久保は投入直度からチームを活性化させました。
大久保はMFからパスを出しやすいタイミングで顔を出します。また、自分自身が欲しいタイミングを示す動き方が上手く、パスを出す選手の目に入る動きをします。
この結果、大久保へのクサビのパスがドンドン入って行きます。
大久保にクサビのパスが入る事でキプロス代表の守備が大久保に集まります。大久保はそれにより空いた位置にいる味方選手へ簡単にパスを落としキプロス代表の守備にギャップを作り続けました。
2年間(事実上は4年間)のブランクがあったとは信じられない程、既に日本代表の中での動きにフィットしていました。

このように、大久保と柿谷は動きの質で大幅な差がありました。
この試合だけで判断するなら、
大久保>>柿谷
は誰が見ても納得でしょう。

CBには森重が先発になり90分フル出場しました。
壮行試合との位置付けなので相手も本気になっていないので過大な評価は出来ません。
そのような中で評価したいのは、森重がトップに近い位置へのクサビのはいパスを意識していた点です。
CBから縦へのパスが入ると相手のバランスが崩れチャンスになります。
常にDFからボランチを経由し、パスをつないでトップまで持って行くのは理想です。その代わりに相手に戻って守備を固める時間を作られるデメリットがあります。
スペイン代表のように、相手が守備を固めれも崩せる技術があれば問題ありませんが、まだまだ日本代表はそこまで到達していません。
チャンスがあるならトップに早めに当ててシュートまで持って行くのは有効な戦術です。

代表に定着した頃の吉田麻也は、この縦へのクサビのパスを意識していたのですが、最近はそのようなプレーが見られなくなりました。
無難にボランチ、サイドの選手に預けてお終いのプレーばかりです。
森重のプレーに触発され以前のような縦へのパスを思い出してくれると両CBが攻撃に絡めるチームとしてレベルアップすると思います。

相変わらず、日本代表の左サイドが問題点だと思います。
香川は長友がタイミング良くオーバーラップしても5回に1回位しか使いません。
長友のオーバーラップのタイミングでパスすればそのまま縦に突破してゴール前の守備が整う前にセンタリング出来るのに香川はパスを出しません。
香川は中に切れ込みますが、ボールをこね繰り回しているので守備の人数が揃い結局3回に2回はボールを取られます。香川がボールを取られるペナツティーエリア角辺りはカウンターされるとリスクのある地域です。
W杯本大会の相手ならカウンターでシュートまで持っていかれるでしょう。

香川は長友のタイミングではなく自分が中央へドリブル出来ない状況で長友へパスします。
このため、長友がボールを受ける時は止まった状態です。
また、ボールが届いても香川に着いていたマークがスライドするので縦へのスペースがありません。
結局、長友がボールを持ってもスピードアップしません。

このような状況を見ると「香川いらなくない?」と思えてしまいます。
今なら大久保を左MFに入れた方が左サイドでの攻撃がスピードアップし、相手の脅威になるはずです。

さいたまスタジアム2002のパノラマ

長谷部キャプテンは「心を整え」ていなかったようで
挨拶をかんでしまった(^_^)

この試合、日本代表選手のシューズに蛍光色が多くて驚きました。さいたまスタジアム2002の照明で異様に目立っていました。
右サイドが蛍光グリーン、左サイドが蛍光オレンジと別れていました。蛍光グリーンは山口螢、森重、岡崎。蛍光オレンジが長友、大久保です。
調べたらこれら蛍光色シューズはすべてNIKE製でした。
「やっぱりNIKEか...」との印象でした。
何故ここまで蛍光色にして目立たせる必要があるのでしょうか?
私には理解出来ません。