3キャリアは総務省の「キャッシュバックの是正」を口実に、改悪施策を次々に行ってきました。
総務省が目的としていたMNP乞食潰しのための一括0円、キャッシュバックなし、乗換割りの減額などが効果を発揮しMNP乞食は事実上壊滅しました。
しかし、MNP乞食潰しと同時に総務省が言っていた長期利用者への優遇処置は申し訳程度で誤魔化した3キャリア。総務省の指針を期待していた利用者からは「ガッカリ感」だけしか残らない結果となりました。
でも、このような3キャリアの姿勢に対して適切に指摘できる総務省の有識者メンバーがいないためキャリアの誤魔化し勝ちになっています。
キャッシュバックをばらまかなくて良くなった上に、月額料金や事務手数料をジワジワと値上げした事で、3キャリアとも収益が大きく伸びています。
結局、アホな総務省が口を出したため乗り換え、機種変更、長期利用者とすべてのユーザーの負担がアップしてしまったのが現在の携帯電話業界です。
auの長期利用者への施策
そのような中、発表が遅れていたauが5月31日長期利用者に対して新しい施策を発表しました。
その内容は、期待を大きく裏切るモノでした。
docomoは長期利用者に対して月額料金を割引する事を先日発表しました。しかしauは月額料金の割引ではなくポイント還元と信じられない発表です。
docomoの長期利用者への月額料金の割引も大した額ではありませんでした。それでもauのポイント還元よりはマシです。
auの意図はミエミエ。
月額料金の割引ならすべての長期利用者に提供しなくてはいけません。
でもポイント還元なら手続きを忘れる利用者がいるので月額料金の割引よりもauの負担は軽くなります。
総務省の機嫌を損なわないようにしながら会社への負担を軽くするための抜け道を探っていた事が明白。少しも「お客さまのために」ではありません。
昨年までMNP乞食に優しかったauはどこに行ったのでしょうか…
その上、この程度の誤魔化しの施策でauは「大きく、変わります。」とのキャッチコピー。
恥ずかしくないのでしょうか…
前置きが長くなりましたが、そのような最近期待外れの発表が続いているauの中でひとつだけ珍しく評価できる施策があったので今回はそれを取り上げます。
世界データ定額の2つの改善点
それが国際ローミングサービス「世界データ定額」(2016年8月開始予定)です。
今までキャリアが「改善」と言った新しいプランはユーザーから見ると「改悪」になっていたモノばかり。
改善に馴れないので裏があるのではないかと何度も読み返しましたが、この海外データ定額は大丈夫のようです。
今回auの世界データ定額のポイントは、
2,980円/日が980円/日に
日本時間で使用日を区切っていたのを利用開始時から24時間に
なった2点です。
今までキャリアの国際ローミングは高過ぎたので、海外旅行でスマホやタブレットを使う場合は国際ローミング以外の方法を取りました。レンタルモバイルルーターや現地SIMカードの購入などです。
今回の世界データ定額の料金は、現地プリペイドSIMカードには適いませんが、レンタルモバイルルーターと同等になりました。
1日の料金は同じですが世界データ定額が始まったらレンタルモバイルルーターにメリットはまったくありません。
何故なら、レンタルモバイルルーターが飛行機搭乗中で使えない日数も換算されてしまうのに対して、世界データ定額は使用した日数だけなので割安になるからです。
つまり出発、到着で日を跨ぐのがほとんどの欧米旅行では2日分が減るので実際の使用料金は海外データ定額の方が安くなります。
さらに世界データ定額は手続き不要なので受取、返却の手間もかかりません。
さらに、世界データ定額は料金換算の基準が日本時間から利用開始時から24時間に変更になりました。
今までの国際ローミングサービス(海外ダブル定額)では利用開始の基準が日本時間でした。そのため、欧米時間で1日使うとなると日本時間2日分になっていました。
たとえば欧州中央時間では、
欧州中央時間8時が日本時間15時
欧州中央時間20時が日本時間3時
となります。
つまり、欧州旅行で1日フル使うと5,960円と高額な料金が発生しました。
一方、海外データ定額では利用開始時から24時間なので欧州時間でまる1日しようしても980円です。もう日本時間を気にする必要がなくなりました。
以上のように欧米で1日の海外ダブル定額と世界データ定額の利用料金を比べると1/6で済む事になります。
これこそが顧客に向いたサービス改善です。
今後もこのようにユーザーに評価されるサービスを出して欲しいモノです…