「てるみくらぶ」営業停止から破産までの経緯
格安旅行会社の「てるみくらぶ」が破産申請しました。
24日に東京本社と各支店が臨時休業になり、旅行者にはメールで発券トラブルが発生しているとのお知らせが届いたことでメディアに報道されました。
https://www.travelvoice.jp/20170324-85609
その後、27日朝に東京地裁に破産申請し受理され、同日11時から社長が会見し、破産に至った経過を説明しました。その席で、負債総額が151億円と大変大きな額が明らかになりました。
また、日本旅行業協会(JATA)の弁済業務保証金制度での適用金額が1億2,000万円程度なのに対して、被害に遭った件数が3万数千件、人数にして8〜9万人と言われています。
単純計算では支払われるのは1,000円強。事実上、ほどんど戻ってこない可能性が大きいと報道されています。
私の「てるみくらぶ」利用履歴
私は、2015年11月の地中海クルーズ旅行の際、てるみくらぶを使用しました。
陸旅に比べクルーズは高いのが一般的ですが、この時のてるみくらぶの料金は諸雑費が入っても10万円弱でした。
初めて利用する旅行会社で、料金が破格過ぎるので心配になりWebサイトで評判をチェックしました。すると、あまり良い評価がありません。
通常10〜7日前に来るチケットなどが直前に来る
添乗員のレベルが低い
等々。散々な評価でした。
でも、私の利用するのは添乗員なしのクルーズ旅行。泊まるのはホテルでなくクルーズ船なので旅行会社は航空券とクルーズの予約をするだけの役割です。旅行会社が影響する範囲は最小です。この年の夏からてるみくらぶはクルーズに新規参入したので、そのためのキャンペーン価格だった面もあると考え利用しました。
チケットなどのやり取りや実際の旅行でも不手際などはなく無事に旅行を終えることができました。
クルーズ旅行で悪い印象がなかったので、昨年のローマ観光でも格安だったてるみくらぶも検討(T社として表記)しました。
でも、最終的にてるみくらぶにしなかったのは旅行会社の問題ではなく日程がキツカッタためです。
結果的に、てるみくらぶを使用したのはクルーズでの1回だけでした。でも、1回でも使用した旅行会社が倒産するのは、やはり寂しいものがあります。
格安で業務拡大したHISは、今ではそれほど安くありませんから、格安旅行を考えたらてるみくらぶは候補のナンバーワンだったので、私にとって残念です。
中小旅行会社の関連被害が心配
24日の営業停止のニュースから27日の正式な記者会見、その後の経過などを「twitter」で追っかけていました。
例のごとく、自己責任論が出ました。
こんなに安かったら怪しく思うのが常識
とか、物知りな人のツイートが多々ありました。
年に1回行くか否か程度の一般的な旅行者が旅行の相場を知るわけがありません。
身近な家電量販店でも決算前なら赤字覚悟の安値を出すこともあるくらいです。仕切り値(原価)が見えない旅行価格ではより一層、適正な価格が一般の人にわかるわけありません。
だから多少高くても大手旅行会社が安心
とのツイートも。
このような考えの人ばかりなら大手旅行会社はマージンをタップリ乗せて販売できます。安値にする必要がないので大助かりですね。
また、これでは適正な競争での価格訴求をする新規参入企業も出て来ません。
旅行者が必要以上の出費を強いられ大手旅行会社が潤うだです。
格安を求めるのなら個人旅行をした方が良い
個人旅行のデメリットは、旅行中にトラブルがあった場合、すべて自己対応が必要になることです。最低限、英語でトラブル対応できるレベルがないと避けた方が無難と私は考えています。
旅行会社の破綻と旅行中の事故、トラブルのどちらが確率が高いかと言えば後者なのは明らかです。
私も前回、個人旅行を考えましたが、個人旅行と格安旅行会社の募集型企画旅行で1〜2万円の価格差しかありませんでした。
それなら、差額を万が一の場合の保険と考えたら募集型企画旅行にメリットがあると考え手配旅行にしなかった経緯があります。
私が英語ペラペラなら手配旅行を選びますが、残念ながらそのレベルにはありません。
大手旅行会社でもないてれみくらぶの破産申請なんて、たいしたニュースにならないと思っていたら、負債総額と被害者数が大きかったことでかなりマスメディアに取り上げられました。
心配は、「これだから中小の旅行会社は危ない!」と考え、これからのゴールデンウイークや夏休みの旅行を大手旅行会社に切り替える事例が増えることです。
ただでさえ、経営環境が良くない中小旅行会社です。これにより経営が悪化し連鎖倒産が増えないで欲しいです。
また、被害に遭われた方が、迅速に救済されることを願っています。
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