先日、SDカードのデータが消去される事例が発生しました。
今回、そのSDカードをデータ復旧ソフトウェアで救出したので、その顛末をレポートします。
データ復旧ソフトウェアの選定
今回トラブルがあったのはコンパクトデジカメ(コンデジ)に入れておいたSDカードです。
いつもの通り、コンデジで撮った写真データを保存用HDDに移動するため「Mac mini」のUSB端子に接続したSDカードリーダーに挿し、デスクトップに表示されたSDカードアイコンをクリックし開いたところ、中身がありません! 空っぽです!
そのSDカードをコンデジに戻しても同じ、撮影したデータが消えています…
このコンデジ、前回もSDカードのエラーがありました。
その時はSDカードの不良と思い、SDカードを取り替えた後の今回の出来事です。
以上の経緯からSDカードの不具合ではなくコンデジの不具合が高いと考え直しました。
しかし、今は原因追及よりも先に、撮影したデータの救出を優先しなければなりません。
今までSDカードの消去という事例に遭遇しなかったのでデータ復旧ソフトウェアの知識がありません。そこで、データ復旧ソフトウェアについて調べました。
すると、私が思っていた以上にデータ復旧ソフトウェアがありました。そして、各ソフトウェアには無料版が用意されています。
しかし、詳しく見ていくとすべてが小容量しかデータ復旧できません。そもそも、開発の中心はメーカーで個人が開発リリースしている例はありません。なので、あくまでも有料版がメインで無料版はお試しとのスタイルです。
今回、HDDに保存されていない撮影データは1GB程ありますのでデータをすべて復旧するには有料版が必要。でも、有料版は1万円前後。現在の一般的なPCソフトウェアからしたらかなり高額です。
そのような時、「MiniTool」社のデータ復旧ソフトウェア「Partition Wizard Pro」の使用レポート依頼が来ました。
データ復旧で検索したところ、データ復旧ソフトウェアで有名なのは「EaseUS Data Recovery Wizard」や「Recuva」でした。「MiniTool Partition Wizard」の名前はほとんど出て来ません。
そこで、少々不安になり「MiniTool」社を調べたところ、「MiniTool」社はカナダと香港の2か所にオフィスを持ち、個人ユーザーだけでなく企業、団体組織などを含めディスクやパーティション管理上のソリューションを提供している企業とのこと。コンシューマーだけでなく企業との取引もあるなら安心できそうです。
また、あるユーザーのブログで「タスクマネージャで怪しいプロセスはないかと探してみたが見当たらなかった」とありますから、無断で個人情報を自社サーバーで収集し、他社へ転売するようなこともなさそうです。心配も解けたので記事化の依頼を受諾しました。
ただ、私からすると「Wizard Pro」は「Windows」版だけで「Mac」版がないのが欠点です。そこで今回は、「Mac mini」の「Parallels Desktop」にインストールした「Windows 10」環境で試すことにしました。
操作方法
まず、「Partition Wizard Pro」が日本語対応しているのは嬉しい点です。初めて使うソフトウェアが英語だと選択する場合慎重になり操作が遅くなってしまいますから。
データ復旧の方法は次の通りでした。
今回はデータ復旧を行うので上部のアイコンの「データ復元」を選択。「データ復元」の対象は「ハードディスク」の「Transcend USB」になります。
選択をしたら右下の「スキャン」を選択。私は「Parallels Desktop」の「Windows 10」環境で行ったためスキャンが完了するまで数十分かかりましたが、PC環境で行えばもっと早く完了するものと思います。
スキャンが完了すると「既存のパーテーション(FAT32)」と「紛失ファイルをもっと表示」が表示されました。
「既存のパーテーション(FAT32)」は撮影時期によりファイルが分かれるような感じです。今回私の場合、「既存のパーテーション(FAT32)」内の「$Root2」に保存したいデータがありました。作成日時項目があるので、そこからバックアップを取っていなく消滅したデータを探すことができます。
一方、「紛失ファイルをもっと表示」は上書きされずUSBメモリーに残っているデータがすべて表示されます。
確認したところ、かなり以前に消去していたデータまで表示されました。つまり上書きされていないデータはすべて復旧が可能ということです。また、コンデジの画像データの他に、PDFなど画像以外のデータもありました。
ただし、「紛失ファイルをもっと表示」には作成日時項目が空欄のため日時での並び替えができません。ひとつひとつチェックする必要があるのでデータが大量にあるとかなりの負担になります。
目的のデータが見つかったら右下の「保存」ボタンをクリック。保存先を指定してデータを救出します。今回は、1GBだったので数分でコピー完了。ダウンロードしたデータを確認しましたが、データ不備で開けないことはなく無事に画像データの救出に成功しました。
まとめ
データ復旧ソフトウェアは、バックアップツールなどと異なり間違ってデータが消去される事例が発生しないと必要性を感じないかもしれません。しかし、その事例が発生してからでは私のように慌てるので事前に情報収集をしていた方が良いと思います。
今回データ復旧の事例が発生した際に私が不安視したのが、すべてのデータが救出できるわけではなく、救出できないデータもそこそこ発生するのではないかということでした。
しかし、「Partition Wizard Pro」でUSBメモリーでのデータ復旧したところ、かなり過去に消去したのも表示されましたので、上書きされていない限りかなり高い確率で救出可能でしょう。
これだけデータ復旧の可能性が高いのなら1万円も高くはないと思いました。