データ復旧ソフトウェア「EaseUS Data Recovery Wizard for Mac」を試す!

「EaseUS Data Recovery Wizard for Mac」

先日データ復旧ソフトウェア「MiniTool Partition Wizard pro」をレビューしました。
SDカードの復旧を行い、かなり過去のデータまで認識することができデータ復旧率は高いと感じました。
ただ、「Mac」ユーザーの私にとって「MiniTool Partition Wizard pro」の欠点は「Windows」版のみで「Mac」版がないことです。

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そんな時、同じデータ復旧ソフトウェアのEaseUS Data Recovery Wizard for Mac(以降「EaseUS」)からレビュー依頼が来ました。
私にとって「EaseUS」の大きなメリットは「Mac」版があることです。
また、データ復旧ソフトウェアの紹介では必ず上位に登場するのが「EaseUS」。それだけ高い評価を得るデータ復旧ソフトウェアなので、実際に操作をしその評価の理由を知りたいと思いレビューを受けました。

仕様

対応するデバイスとファイル形式。現在流通しているほとんどのファイル形式に対応
対応するデバイスとファイル形式。現在流通しているほとんどのファイル形式に対応

「EaseUS」が対応しているフォーマットは下記の通りです。

APFS、HFS+、HFS X、FAT(FAT16とFAT32)、exFAT、NTFS

「Mac」版なので「HFS+」に対応しているのはもちろんですが、「macOS」の新フォーマットの「APFS」にも対応しています。また、11月リリースしたばかりの最新「macOS Big Sur」にも対応済みです。

対応するファイル形式。もちろんAPFSにも対応
対応するファイル形式。もちろんAPFSにも対応
最新「macOS Big Sur」にも対応済み
最新「macOS Big Sur」にも対応済み
対応するデバイス、ストレージ
対応するデバイス、ストレージ

メモリーカード類はUSBメモリー、SDカード、CFカード等に、ストレージはHDD、SSDはもちろんRAID、Fusion Driveにも対応。よほどマイナーな過去のデバイスでない限り現状流通しているほとんどのデータ復旧に対応しています。

「T2」セキュリティーチップ搭載Macも復元可能に!
「T2」セキュリティーチップ搭載Macも復元可能に!

さらに、「macOS」の最新セキュリティーチップ「T2」にも業界初で対応です。
確かに、セキュリティーを高くするにはシステムにアクセスする範囲を限定することになります。このため、今まで使えていた機能拡張が使えなくなったとの話は「Apple」がセキュリティーを強化するようになってから良く行く話です。データ復旧ソフトウェアもシステムの深い領域にアクセスするのでセキュリティー強化の影響を受けていたわけです。
しかし、「EaseUS」はその点も既にクリアー。「T2」チップ搭載の「Mac」においても以前と同じようにデータ復元を実現しました。これらからも「Windows」のついでに「Mac」版を作っているのではなく「Mac」版に真剣に取り組んでいることがわかり「Mac」ユーザーとして嬉しい限りです。

「Free」、「Pro」、「Technician」の違い

各プランの仕様一覧
各プランの仕様一覧

「EaseUS」には無料版の「Free」と有料版の「Pro(永久ライセンス20,990円)」、「Technician(永久ライセンス58,000円)があります。

「Free」はデータ復元の上限が2GBに制限されています。2GBまでしか使わないなら「Free」でOK。しかし、現在SDカードでさえ8GB、16GBが当たり前なので、実際運用するなら「Free」では足りないので有料版が必須です。

有料版の「Pro」と「Technician」の大きな違いはインストールできるマシンの数です。「Pro」が1台なのに対して「Technician」は複数マシンへのインストールが許可されます。
「Mac」が1台しか所有していなければ「Pro」で十分です。複数台ある場合でもデスクトップとノートならデスクトップは「Time Machine」でバックアップ。外出時などに使用し常時「Time Machine」でバックアップできないノートにだけ「EaseUS」をインストールするのが賢い使い方だと思います。
一方、「Technician」は「Pro」の永久ライセンスは3倍弱の価格になりますがインストールできる台数に制限がなくなります。仕事などで複数の「Mac」を使いいずれの「Mac」でもデータ消失が許されないプロユーザー向けになります。

また、有料版には24時間対応の電話サポートが付いています。
データが消滅した時には一刻も早く復旧したいもの。まして仕事のデータならなおさらです。下記操作方法で記したように復旧手順は難しくありません。でも、何かが原因でデータ復旧ができない場合もあります。そのような時のため24時間電話サポートがあると安心して購入できます。

操作方法

今回「EaseUS」に提供していただいたのは「Pro」です。この「Pro」を使ってデータ復旧を試してみました。
データ復旧の手順は、「EaseUS」の「使い方」ページに掲載してあります。
一般的に、開発会社の説明はわかりくいのですが、「EaseUS」ではスクリーンショットを使い分かりやすく説明されています。
その一因は、そもそも手順が複雑ではなく簡単という点があります。基本的にはこのページの説明通りで間違いなくデータ復旧が行えます。
私は今回、先日データ消失事例が発生したSDカードでのデータ復旧をしました。

使い方の説明ページ
使い方の説明ページ

まず、該当ページから「EaseUS」をダウンロードしインストールします。
その後、「EaseUS」立ち上げます。すると起動したウインドウで自動的に「Mac」に接続されているメディア、ストレージの容量と現在使用している容量、フォーマット形式が表示されます。
その中からデータ復旧したいメディアを探したら右端の「スキャン」ボタンでスキャンを開始します。

起動時の最初のウインドウ
起動時の最初のウインドウ
起動すると自動的にスキャンできるデバイス、ストレージが表示される
起動すると自動的にスキャンできるデバイス、ストレージが表示される

今回選択したSDカード「MONK_01」は全容量8GB。使用容量が7.99GBとなっていますがバー表示ではゼロ。SDカードが破損しているので正確な表示ができないのだと思います。
「MONK_01」をスキャンしたところ約6分で完了。今回は「Mac mini 2012 SSD」を使用しました。現在の機種と比べたらスペックはかなり低いので現行機種の「Mac」で動作させればもっと早くスキャンが完了するはずです。

スキャンが完了すると左側に内部のフォルダーが、右側にフォルダー内のファイル詳細が表示されます。
かなりの数のフォルダーに分けられています。今回私が探しているのはバックアップされていない10月4~7日のデータです。探し出したところ「Camera」フォルダー内の「CASIO …」にありました。

「スキャン」ボタンをクリックするとスキャンを開始
「スキャン」ボタンをクリックするとスキャンを開始
SDカードをスキャン後のウインドウ
SDカードをスキャン後のウインドウ

このように「パス」から選ぶのも良いですが、システムに詳しくないと少々難しい作業となります。
そのような時は、「EaseUS」には画像や動画、オーディオなど保存形式別で選べる機能があります。
左上のタブで「パス」から「種類」に切り替えます。今回は選択する画像と日付が限定されているので「種類」タブの「画像(935)」を選び「作成日」で並び替えた方が見つけやすく便利です。ユーザーの使い勝手で選択肢が選べるのも「EaseUS」のメリットのひとつです。

左上のタブを「種類」に変えると保存形式から選べる
左上のタブを「種類」に変えると保存形式から選べる

また、「EaseUS」の初期設定のデータの表示はリスト表示になっています。テキストデータならファイル名で選べるので問題ありませんが、画像や動画はファイル名では該当データがわかりません。プレビューが画像が欲しいところです。
リスト表示でもダブルクリックすれば別ウインドウで表示は可能。しかし大量の画像を選択する場合、1枚1枚別ウインドウを立ち上げて確認するのは実用的ではありません。
そこで上部中央右にある「リスト、アイコン、ギャラリー」タブを切り替え「アイコン」表示にします。これは「macOS」で標準で備わっている表示切り替えと同じなので「Mac」ユーザーなら迷わない使い方です。私も今回は「アイコン」表示で画像を確認しながら選択しました。

「種類」タブからも「アイコン」表示が可能
「種類」タブからも「アイコン」表示が可能
「ギャラリー」表示にも変更できる
「ギャラリー」表示にも変更できる

該当の画像を選択したら右下の「今すぐ復元」ボタンをクリックし、保存先を指定してダウンロードです。今回データ復旧したのは約2GB。ダウンロードにかかった時間は4~5分です。思ったよりも短時間で完了しました。
最後にダウンロードしたフォルダの中の救出されたデータがちゃんと開けるか確認します。

今回はSDカードからのデータ復旧でしたが、データ認識のレベルは高く過去のデータもかなり認識しています。ダウンロードした画像が破損して開けないこともなく満足する結果でした。
データ復旧と聞くと難しい作業を行うように感じますが、迷うような手順はなく予想外に簡単で拍子抜けするほどです。

なお、エラーが起ったSDカードは廃棄するのが安全です。不可解な事例が発生したメディアなので、同様の症状が再度発生する可能性があります。今回は、「EaseUS」で救出されましたが、常に100%復旧を保証されるわけではないので不安定要素はなるべき排除すべきです。「EaseUS」でがあるからといい不安定なSDカードやストレージを使い続けるのは薦められません。
SDカードはそれ程高い商品ではありません。旅行など二度と入手できない貴重なデータが消滅するのは悲しいことです。自分自身が最大限の注意を払い、その上でトラブルが発生した際の最後の救済策として「EaseUS」を考えるべきです。

「Mac」本体のデータ復旧

「EaseUS」にはそれ以外にもいろいろなデータ復旧機能があるので紹介します。
当然ですが起動ディスク内のデータ復旧も可能です。
通常、「Mac」ユーザーなら「TimeMachine」でバックアップを取っているのが一般的だと思います。「TimeMachine」を使用している場合随時バックアップを取っているのでデータ復旧ソフトウェアの必要はありません。
事実、「EaseUS」の説明ページも最初に「TimeMachine」でのバックアップが紹介されています(これは良心的)。

起動ディスクからの復元方法の説明ページ
起動ディスクからの復元方法の説明ページ

でも中には「TimeMachine」を使っていなかったり、ノート型を使用し外出先でバックアップが取れていないケースもあります。
そのような状態で内蔵ストレージに不具合が発生した場合にはデータ復旧ソフトウェアが役に立ちます。

起動ディスクがクラッシュするケースは昔のHDDに比べれば多くありません。むしろ、日々「Mac」を使っていて多いのは、必要だったデータをゴミ箱から削除してしまった、ということかもしれません。
その場合も「EaseUS」ならウインドウ左下の「クイックアクセス」にある「ゴミ箱」を選択すればゴミ箱に限定してデータを探すことができます。同様に「クイックアクセス」には「デスクトップ」や「書類」「ダウンロード」があり「パス」や「種類」ではなくダイレクトにデータを見つけ出せる機能があります。

「クイックアクセス」からは「ゴミ箱」や「デスクトップ」など絞り込んで選択できる
「クイックアクセス」からは「ゴミ箱」や「デスクトップ」など絞り込んで選択できる

ただし、現在のストレージは500GBや1TBなど大容量になっています。データ復旧するためその大容量のストレージをすべてスキャンすることになり、かなりの時間が取られます(スキャンする容量やマシンスペックによりスキャン時間は変わります)。
また、「EaseUS」は差分データのスキャンに対応していないので事前にスキャンして置き、その後の差分だけスキャンし時間を短縮することもできません。

これからもデータ復旧ソフトウェアに100%頼るのではなく常にバックアップを取る癖をつけることが大切です。
日々のバックアップは「TimeMachine」で行い、外部持ち出し中のノート「Mac」やデジカメのSDカードなどのメディアなどでバックアップできなかったデータの復旧に「EaseUS」を使うのが最適な使い分けだと思います。

「M1 Mac」への対応状況

「M1」搭載「Mac」への対応状況
「M1」搭載「Mac」への対応状況

現在、「Mac」の記事を書くにあたり「M1 Mac」に触れないわけにはいきません。
「激速!」と大絶賛の「M1 Mac」ですがソフトウェアのネイティブ対応はこれからになります。しかし、事前の予想に反して(?)「Rosetta2」上を介しての「Intel Mac」版ソフトウェアもほとんどが問題なく動いていると言われています。
そこで、「EaseUS」を販売している有限会社イーザスソフトウェアのご担当者に「M1 Mac」対応についてお聞きしました。
内容は下記の通りです。

Q1 「M1 Mac」上での動作に問題(一部機能が使えなくなった等)は発生していないでしょうか?

A1 外付けデバイスなどのスキャン・復旧は問題ありませんが、システムドライブのスキャンが未対応です。対応したらご案内させて頂きます。

Q2 「Rosetta2」上での動作スピードに「Intel Mac」との差(遅くなった等)は発生していないでしょうか?

A2 「Intel Mac」上と「M1 Mac」の「Rosetta2」を介しての動作スピードの差は発生していません。

Q3 「M1 Mac」へのネイティブ対応の時期は?

A3 「M1 Mac」へのネイティブ対応版は現在開発中です。まだ、リリース時期など具体的な日程は未定です。詳細が決まりましたら、ご案内させて頂きます。

「Intel」チップから「arm」チップに変わったので開発は大変でしょう。しかし、現在のバージョンで「Rosetta2」を介しての動作で動作スピードに差はないとのことなのでネイティブ対応版がリリースするまで現バージョンで運用しても問題ないようです。
ただし、システムドライブのスキャンに未対応とのことなので起動ディスクのデータ復旧を目的としているユーザーは対応するまでは「TimeMachine」でのバックアップを最優先にする必要があります。

まとめ

やはり「Mac」版があるのはありがたい!
やはり「Mac」版があるのはありがたい!

「EaseUS」は使い勝手が良い印象でした。それは、「EaseUS」が「Mac」に適したインターフェースになっているからです。
えてしてサードパーティーのソフトウェアで「Windows」版と「Mac」版がある場合、インターフェースが「Windows」のままの場合が多くあります。確かに機能は同じなのですが、そうすると「Mac」ユーザーにはどうしても使い勝手が悪く感じてしまいます。
その点「EaseUS」は、「リスト」、「アイコン」、「ギャラリー」のように「Mac」標準機能に準じた仕様を採用しているので初めて使う際にも負担が少ないです。これは大切!
今後はなるべく早い「M1 Mac」へのネイティブ対応に期待しています!



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