「iOS14.5」で搭載が確実視されている「『Apple Watch』が近くにある場合マスクをしたまま『Face ID』のロック解除」(長いので以降は「マスクをしたままロック解除」)。
このところカメラの性能アップばかりで、使いたいと思う機能追加がなかった「iOS」ですが、この「マスクをしたままロック解除」は久々に期待する機能です。「COVID-19」以前から花粉症でマスク着用する機会が多かったユーザーにとって待ち焦がれていた機能でしょう。一刻も早く試したいと思っていると思います。
しかし、脱獄が標準環境の私。「iOS14.5」で「マスクをしたままロック解除」が搭載されても「iOS14.5」対応の脱獄ツールがリリースされなければ体験できません。
このため私が体験できるのはしばらく先と諦めていました。ところが、2月19日いつも脱獄情報を発信しているSANTAさんのブログ「TOOLS 4 HACK」に嬉しい情報がアップされました。
それは、脱獄「iOS13.x」環境で「Apple」純正を先取りして「マスクをしたままロック解除」を実現する脱獄アプリの紹介です。
SANTAさんによると「Apple」純正と遜色はない出来とのこと。期待して即インストールしました!
実使用レポート


脱獄アプリの名前は「Perseus」。
2月19日から約2週間使いましたので使い勝手をレポートします。
「Perseus」の「マスクしたままロック解除」は、残念ながら100%完璧に動作するわけではないということがわかりました。
「Apple」純正機能を先取りした脱獄アプリなので多少劣るのは仕方がありません。問題は、それが個々のユーザーの許容範囲か否かです。
そもそも「Perseus」使用上の注意点として「Apple Watch」を外した後の最初の1回目はパスコードでのロック解除が必要ということです。「iOS14.5」ベータ版で「マスクしたままロック解除」を試したユーザーのコメントに「最初の1回目にパスワードが必要」とのコメントはありませんので、この制限は「Perseus」だけだと思われます。
でも、最初のパスコード入力後「マスクしたままロック解除」がスムーズに動作すれば大きな不満はありません。しかし、うまく動作しないことが少なからずあります。この原因が何なのかわかりません。
パスコード入力後しばらくは正常に動作します。しかし、しばらくすると失敗するように感じたので時間の経過でクリアーしてしまうのかと思いました。でも、注意深く注意してみるとそうでもないようです。
次に思ったのが「Bluetooth」が切れる程距離が離れるとクリアーしてしまうのではないかということです。例えば、机に「iPhone」を置いたままトイレなどに行った場合です。この場合、「Apple Watch」を腕から外してはいませんが一度「Bluetooth」の接続が一度解除されます。つまり「Bluetooth」の接続解除で「Perseus」が「Apple Watch」が腕から外されたと認識するとの仮説です。
その仮説を前提に動作を観察していると、その仮説が成立するように感じますし、そうとも言えないとも感じます。
なぜなら、「iPhone X」の「Bluetooth5.0」の通信距離がわからないからです。「Class1」なら100m、「Class2」なら10mが「Bluetooth5.0」の仕様ですがそもそも「iPhone X」が「Class1」なのか「Class2」なのか不明。また、通信距離も室内で壁などの障害物がある所と屋外では実行通信距離が違ってきます。実体験でも20mくらい離れても「Perseus」が有効な時もあるし、クリアーしてしまう時もあります。このように「Bluetooth5.0」の接続の可否が原因というデータを持っていないので、やはり原因不明のままです。
脱獄アプリ「BioProtect XS」は対象外


100%の解除率がないとはいいながら「Perseus」使用でマスクしたままでロック解除が行われ便利になることは間違いありません。ただし、私の場合脱獄アプリ「BioProtect XS」を使用しているので状況が少々複雑です。
「BioProtect XS」とは「iPhone」にインストールしている個々のアプリに任意で「Face ID」でのロックをかけられる脱獄アプリです。現在私は、個人情報などの重要なデータを保存している「連絡先」、「Wallet」、メーラーの「Spark」に「Face ID」でのロックをかけています。
通常、入獄環境の「iPhone」ではロック解除時と「Apple Pay」以外に「Face ID」を使用しません。しかし、「BioProtect XS」を使用することで、仮にパスコードを破られロック解除されても「BioProtect XS」で「Face ID」をかけているアプリの個人情報を守ることができます。
今までは「BioProtect XS」による二重のセキュリティーが大きなメリットでした。しかし、「Perseus」を使用するとこの「BioProtect XS」のメリットがデメリットになりました。なぜなら、「Perseus」の「マスクしたままロック解除」は「BioProtect XS」による「Face ID」のロック解除は対象外だからです。
「BioProtect XS」でロック解除したいアプリは、今まで通りマスクをずらすことが必要なままです。
このように「BioProtect XS」を使用すると完全な「マスクしたままロック解除」環境にはなりません。「BioProtect XS」の使用を止めれば「マスクしたままロック解除」の利便性を最大限に受けることができます。しかし、「BioProtect XS」による二重セキュリティーを捨てるほど「マスクしたままロック解除」が重要か? と考えてしまう所です。利便性を取るか、高いセキュリティーを取るかで悩んでいます。
リスプリングが時々発生
さらに、「Perseus」をインストール後にリスプリングの発生が多くなりました。リスプリングとは、脱獄環境内での再起動です。数日に1回程度。結構気になる頻度です。
「Perseus」インストール前はリスプリングはまったくなかったので原因は「Perseus」インストールでほぼ間違いありません。幸いなことは、入獄環境に戻ってしまう再起動ではなく、脱獄環境に留まってくれるリスプリングで済んでいることです。
この点は、「Perseus」のアップデートで安定性が向上するのに期待するしかありません。
まとめ
「Perseus」を2週間使っての結論は、
「Apple」純正「マスクしたままロック解除」が使用可能になるまでのつなぎ
です。
やはり「Apple」純正の「マスクしたままロック解除」のロック解除率は「Perseus」とは比べようもないくらい高い確率で実現するはずです。何といっても「iOS14.5」の目玉機能ですから。
一方、脱獄ツールも「iOS14.3」まではリリースされましたので、「iOS14.5」の脱獄ツールもそれほど遅くない時期にリリースされるものと思われます。
「iOS14.5」の脱獄環境になった場合、ロック解除率の高さから「Apple」純正の「マスクしたままロック解除」を使用することになるものと予想します。このため、「Perseus」はそれまでのつなぎです。少々ストレスがありますがそのように割り切ってしばらく「Perseus」を使っていこうと考えています。
また、「Apple」純正「マスクしたままロック解除」に淡い期待しているのが、すべての「Face ID」のロック解除が対象になっていることで「BioProtect XS」の個々のアプリのロック解除も対象になることです。
ホント、脱獄囚の淡い期待です…