前回は、「Dom Teporna Italy]」の「小さい財布」の購入をレポートしました。
単に、購入レポートだけでは面白くありません。
今回は、「Dom Teporna Italy]」の「小さい財布」のバネホックの加工作業をレポートします。既存の財布を自分仕様にするための作業です。
薄さを実現するための改造
「Dom Teporna Italy」の薄さを実現するために行う改造個所は2ヵ所3工程です。
・小銭入れのバネホックの取り外し
・カード入れの革のカット
・バネホックのオスパーツの取り付け
「Dom Teporna Italy」を横から見ると小銭入れのバネホックとカード入れの2か所が薄さを阻害している要因とハッキリわかります。
1点目の「小銭入れのバネホックの取り外し」について。
類似の「abrAsus」の「小さい財布」の小銭入れにはホックが付いていません。薄さを実現するためにあえてホックを外しています。ただし、トレードオフとして注意しない硬貨が落下し散乱する心配があります。
「Dom Teporna Italy」は、安全性を優先し小銭入れにはバネホックを使い硬貨の落下の可能性を防いでいます。一方で、このホックがあるために薄さが犠牲になっています。薄さを追求するならバネホックを外すのが正解です。
小銭入れに蓋のない「abrAsus」でさえ硬貨が落ちるケースは多くないとのこと。「Dom Teporna Italy」はバネホックはなくても折り返しの革が蓋になるので簡単に硬貨が落下することはないと判断。よって、薄さを追求するためバネホックを取り外すことにしました。
2点目の「カード入れの革のカット」について。
私は、今まで使っていた二つ折り財布でもカード類は入れていません。クレジットカード、ポイントカード、保険証などは別の定期券入れケースにまとめています。ゆえに、「Dom Teporna Italy」でもカード入れスペースは使いません。
そうなると「Dom Teporna Italy」で小銭入れのバネホックと同様カード入れのスペースが薄さを阻害している要因なのでカットすることにしました。
3点目の「バネホックのオスパーツの取り付け」について。
カード入れスペースの革に付いているオスパーツが財布を閉める役割を持っているので単にカード入れをカットするだけではダメ。代わりにバネホックのオスパーツを取り付ける必要があります。オスパーツを取り付けるのはカード入れの下にある革です。これは、紙幣入れスペースの表の革になります。
カード入れの革をカットした上で紙幣入れの表の革に穴開けをし、オスパーツを付ける作業をするわけです。そもそも私は革製品の加工など一度も経験がありませんし知識もありません。失敗するリスクもあります。
これが1万円以上もする財布だと失敗した時の金銭的なダメージが大きいので躊躇するところです。しかし、3,500円程なら新たに購入しても全体の出費は7,000円。合わせても1万円以下で済みます。
以上のように考えた末、ここはカード入れのカットとオスパーツの取り付けまでチャレンジすることにしました。
改造準備
今まで革製品に興味がなかったので知識がゼロ。そこで、上記の作業を行うため情報を仕入れました。
参考にしたのは下記です。
【レザークラフト】一度取り付けてしまったジャンパーホック・バネホックの外し方
【レザークラフト】緩みにくいバネホックの取り付け方を簡単解説!
実作業の手順を知るには「YouTube」の動画は有意義でした。
その結果、小銭入れのホックを取り外すだけならペンチ1本で済みますが、オスホックを新たに取り付けるためには専用工具が必要と知りました。必要な工具は下記の通り。
・木槌
・打ち棒
・ハトメ抜き
新たに取り付けるオスホックの穴の大きさは取り外したオスホックで測定したところ2~3mmでした。予想外に小さかったので、手持ちのキリで代用可能のようだったので「ハトメ抜き」は購入しません。オスホックの締め付けには「打ち棒」が必須。他の代替え品はないので購入しました。
Webサイトの情報では100円ショップでも入手可能とのことでした。そこで、近所の「ダイソー」に行きましたが該当するサイズの「打ち棒」とバネホックは在庫していません。
革製品を扱っている専門ショップに行かなければならないので手間がかかるなぁと思っていたところ、自宅から「ダイソー」と同じ位の距離にクラフトショップがあるのに気付きました。ここに20年以上住んでいますが、革製品やクラフトなどの趣味がなかったので、そもそもその存在を忘れていました。
早速行って来ました。すると、さすが専門店、希望したバネホックと「打ち棒」がありました。専門店の店員さんなのでカットした革に付いているオスパーツを見せたらすぐにピックアップしてくれました。オスパーツが小さかったので工具も小サイズ。それほど高くなく購入でき出費が抑えられたのは助かりました。ちなみに、バネホック(#2)20セット入り220円、「打ち棒」638円です。
改造作業
小銭入れのバネホックの取り外し
工具が揃ったので早速改造開始です。
まず、小銭入れのバネホックの取り外しです。使用するのはラジオペンチ1本だけ。
ラジオペンチでバネホックのメス側のバネパーツを徐々に変形させます。変形しバネパーツが浮き接続部分が出て来たらラジオペンチで一気に切り取りします。
バネパーツが取れたら反対側のアタマは手でも簡単に取れます。取りづらかったらペンチなどを使い取ります。
バネホックのオス側のダボパーツもラジオペンチで力を入れ切り取ります。ダボパーツが取れたら反対側のアシパーツも手またはペンチで取ります。
このように小銭入れのバネホックはラジオペンチで力を入れ切り取るだけなので簡単。だれにでも失敗なくできる改造作業です。
カード入れのカット
カード入れスペースのカットはハサミでカード入れの革を切るだけなのでだれにでも失敗なくできます。
「Amazon」のレビューでも小銭入れのバネホックの取り外しを行っている購入者は何人かいました。しかし、カード入れスペースをカットしバネホックのオスパーツの取り付けまで行っている購入者はいません。
ほとんどの購入者はクレジットカードや運転免許証を入れて使うのでカード入れは必需品なのでしょう。でも、私は最初に記したようにカード類を使わないので薄くするためカード入れのカットは避けて通れない作業になります。
財布上部と左側はハサミでカット。下部はカード入れの革と財布本体を止めてある糸をカッターで切っていきます。糸を切る前に新たに取り付けるオスパーツの位置をカード入れのオスパーツの位置を参考に財布本体に印を付けておきます。
オスパーツの取り付け
財布本体へのバネホックのオスパーツの取り付けは手間がかかり、失敗すると財布が使えなくなる可能性もある作業なので注意して行います。
財布本体の印を付けた位置にオスパーツ取り付け用の穴をキリで開けます。問題なく所定の大きさの穴を開けることができました。
開けた穴にオスパーツのダボとアシをセットし取り付け。ここが一番重要な作業です。
準備として打ち棒を力を入れて叩く必要があるのでバネホックの下には金属などの硬い板(専門工具はオールマイティプレート)を置き作業を行います。下から金属板、アシパーツ、革、ダボパーツとなったらダボパーツの上から打ち棒を被せオスパーツに垂直にハンマー(正式には木槌)で強く10回ほど叩きます。
初めてだとこの力加減がわかりません。
私は「YouTube」で見て作業を行ったのですが、それでも何度か失敗。取り付けたと思い開け閉めするとダボパーツが外れてしまいます。
やはり叩く力が足りなかったようです。手加減していたようです。失敗したのでより強い力で叩いたら、やっとバネホックを締め外しをしてもダボパーツが外れなくなりました。
やはり何度かテストをしないと力加減がわからないですね。
まとめ
初めてのバネホックの取り付け完了。でも、これで本当に正しく取り付けられたのでしょうか?
専門業者の作業なら何年も維持する品質となるのでしょう。しかし私は初心者も初心者、初めての革製品の加工作業です。取り付けたバネホックがはたしてどのくらい品質(回数、年数)なのか少々不安です。
まぁ、ダボパーツが外れてしまったらバネホックなしでの運用も選択肢のひとつとしています。
同じような「小さい財布」で止め金具がない商品もあります。必ずしも止め金具がなければ利用できないわけではないようなので割り切る覚悟です。
使用していくに従い革が馴染み今の厚さからどれだけ薄くなるかが期待しているポイントです。