10月17日、「iPad 6」(2018年発売モデル)を「iPadOS14.3」から「iPadOS14.8」にアップデートしました。
「iPadOS」の最新バージョンは「15.0.1」。何故、「15.0.1」でなく中途半端な「14.8」にアップデートしたのかと言うと、脱獄環境を維持するためです。現在、「iPad」で脱獄できるバージョンの上限が「iPadOS 14.8」です。
入獄環境では常に最新バージョンしかアップデートできません。任意のバージョンにアップグレード、ダウングレードできるのは脱獄関連の知識ゆえです。
任意のバージョンにアップグレード、ダウングレードするためには該当バージョンの「SHSH」を保持した上で「Futurerestore」というツールを使います。この手法は以前から脱獄の世界では知られた情報。
しかし、これまで私は実行したことはありません。何故なら、事前に「SHSH」保存しておかなくてはならない点と、作業が面倒くさそうだったから。さらに、手順を間違うと最新バージョンにアップデートされ脱獄環境に戻ることができなくなるリスクがあることも大きな理由でした。
「iPhone X」の脱獄環境アップデートのために
そのような私が今回「iPad」で実行したのは先月、現在バージョン「14.3」までしか脱獄できない「iPhone X」が「14.5.1」まで脱獄可能なツールがリリースされると開発者からのツイートがあったからです。脱獄ツールのリリース時期は10月21日(その後24日に変更ツイートあり)。
脱獄囚としてもなるべく上位のバージョンで維持したいという気持ちはあります。そこで、「14.5.1」の脱獄環境にするための準備を考えました。
上記のように、最新の「15.0.1」でない「14.5.1」ということは「Futurerestore」を使わなくては実現しません。「Futurerestore」を避けていた私ですがここで「Futurerestore」を使わなければならない状況に追い込まれたわけです。
でも、脱獄環境でない最新バージョンにアップデートされてしまうリスクを避けたい気持ちはあります。まして初めて使うツールですからどのようなミスがあるかわかりません。
そこで、「iPad 6」で一連の作業を行い本番の「iPhone X」の作業に臨もうと考えました。「iPad 6」はサブ機種なので入獄環境になっても大きな不便はないとの割り切りです。
作業手順
「iPad 6」は「iPhone X」と異なり現在でももっとも上位の脱獄環境のバージョンは「14.8」となっています。なので、今回は「14.8」にアップデートで進めます。
実際の作業に使ったツールは「Futurerestore GUI」。
「Futurerestore」がコマンドラインでの操作なのに対し「Futurerestore GUI」は、グラフィックインターフェース操作になっています。コマンド初心者には取っつき易く間違いが低減できる仕様になっているので私はこちらを使いました。
作業の前提は、リリースされている最新のバージョンの「SEP」がアップデートとなる「14.8」と互換性があることです。これに関しては、SANTAさんがチェックし互換性があることを確認しています。
互換性が確認できたら、「Futurerestore GUI」を実行するに必要なファイルを用意。今回、準備するのは下記のファイルです。
バージョン「14.8」の「SHSH」
バージョン「14.8」の「IPSW」
「14.8」の「SHSH」は発行終了前に「blobsaver」で保存しダウンロードしておくことが必要。「SHSH」が手元になければ「Futurerestore GUI」を使おうとしても該当のバージョンにアップグレード、ダウングレードはできません。なので、脱獄囚は常に「SHSH」を保存するとの事前準備が必要です。
一方、「IPSW」は各バージョンをダウンロードできるWebサイトがあるので必要な時にダウンロードが可能です。
私は当然「SHSH」と「IPSW」を保存しておきましたので、「Futurerestore GUI」を起動し「Tools 4 Hack」の記事を参考にし作業に取り掛かりました。
設定するのは「Files」タブの「Blob」欄と「Target IPSW」欄だけ。
「Blob」欄でダウンロードしておいた「iPadOS 14.8」のSHSHファイルを、「Target IPSW」欄でダウンロードしておいた「iPadOS 14.8」の「IPSW」を選択します。
他の設定変更はないので、「Controls」タブの「Start FutureRestore」をクリックし実行。後は作業が完了するまでひたすら待つだけ。
当初の面倒くさいとの印象に比べ実際の操作は思ったよりも簡単でした…

でも正直、無事に最後まで完了するかドキドキ。
実行されている動作がコマンドでウインドウの下部に流れるので止まっていないことはわかりますが、それが正常動作なのか否か私には不明なのでひたすら待つだけでした。
その後、「Futurerestore GUI」の「Controls」タブの「Current Task」に「Restore Finished!」が表示され無事作業が完了。初めてで完了時間の予想がつかなかったので長かった印象です。
「Restore Finished!」が出てもまだ完了ではありません。「iPad 6」側の処理が続いています。「iPad 6」が再起動し「Helo」が出てすべての動作完了です。

「iPad 6」の初期設定が完了したら「M1 Mac mini」から「checkra1n」ツールを使い脱獄を実行。「unc0ver」が「iPad 6」にインストールされたら「14.8」の脱獄環境が完成ですヽ(^O^)ノ
まとめ

初めての「Futurerestore GUI」でミスすることなく無事に作業完了。これで、「iPhone X」での作業にも自信がつきました。
後は、「14.5.1」対応の脱獄ツールがリリースされるのを待ちます!