1月20日、「JR東日本」は「Suica」データの民間企業への販売を検討する方針と発表しました。2013年9月、世論の反発を受け中止に追い込まれた計画のリベンジです。
私はこれを機会に「Suica」を「記名式」から「無記名式}にすることを決断しました。
データ販売
「JR東日本」は、今回の「Suica」データの民間企業への販売に関して「オプトアウト」と「提供拒否の選択」を提供することで2013年に批判された懸念を払拭したと説明したらしい。
緩い規約が「改定」という名の「改悪」で個人情報をどんどん吸い取るのは過去政府機関、大手企業、IT企業に拘わらず行ってきた手口。「個人が特定できない形に統計処理して…」とか「該当企業がやらないと言っているのだからやることはない!」と信じるって、どれだけバラ色な思考回路をしているのかと思ってしまいます。
まして、「JR東日本」は、2013年の「Suica」事件以外でも、いろいろ問題な事例を行っています。最近では、駅構内の監視カメラのデータを電車利用者に無断で警察に提供している事例があります(現在進行形)。
そんな1度ならず2度も3度も個人情報やプライバシーを無視している企業を信じろと言う方が所詮無理です。
「Suica」を「記名式」から「無記名式」に
「モバイルSuica」は「記名式」、「定期券」、「無記名式」の3種類があります。現在私が利用しているのは「記名式」。「記名式」は名前や電話番号、メールアドレスなどの個人情報の入力が必要です。当然、データベースには使用履歴と個人情報が紐づいています。
もっとも、私は元から「JR東日本」を信用していなかったので登録個人情報は架空の氏名や生年月日にしています。ただし、「Apple」の「メール非公開」サービス提供前だったのでメールアドレスは自分のドメインです。なので、メールアドレスからたどれば個人を認定できてしまいます。
一方、「無記名式」は個人情報の入力はまったく必要なし。氏名どころかメールアドレスもなしでOK。そこで、私は「Apple Watch」で使っている「Suica」を「無記名式」に変更することにしました。
「無記名式」した場合、制限される機能は、
・JRE POINTのポイント還元
・利用停止と再発行手続き
です。ですが、そもそも私が「Suica」を使い始めたのは感染防止が理由。ポイントやキャンペーンなどが目的でないので「無記名式」で何ら不自由しません。
移行手順
「記名式」から「無記名式」への移行手順の大きな流れは、
・残金を「Amazonギフト券」の購入でゼロに
・「Suica」の払い戻し・退会
・「無記名式」を登録
です。
残金を「Amazonギフト券」の購入でゼロに
まずやらなければならないのが「Suica」に残っている残金を0円にすることです。残金があると払い戻しに手数料が最大220円かかってしまうからです。
残金をゼロにするため、お店で残金以上の買い物をして「Suica」+現金で支払うのも良いですが、もっと簡単なのが「Amazonギフト券」を購入してしまうこと。「Amazonギフト券」は1円単位でチャージできるので確実に0円に出来るのがメリットです。手数料もかかりません。
具体的な手順は下記ブログを参考にしてください。
「モバイルSuicaの払い戻しは、銀行振込でなくAmazonギフト券にすると手数料がかからない」
「Suica」の払い戻し・退会
「Suica」の残金がゼロになったら退会の手続きです。
「記名式」の解約での注意点は、「Suica」アプリを削除するのではなく「Suica」から退会手続きをすることです。
もっとも、この退会手順がわかりずらい!
JR東日本の説明では「払い戻しをし退会を行う」と記載されていますが、その場所がわかりません。
正解は「Suica」アプリの「チケット購入Suica管理」です。しかし、「チケット購入Suica管理」は2行になっていて「Suica管理」はスペースの関係で1行目の「チケット購入」よりもフォントが小さく表示されています。このため、「チケット購入するのではない。退会ページはどこ?」との勘違いをさせるUIとなっています。
私は退会手続きの場所がわからなく検索から下記ブログを探しやっと退会手続きが完了しました。
退会と払い戻しの違いって?iPhoneでモバイルSuicaをやめる方法と3つの注意点まとめ【Apple Pay・Walletアプリ】
「無記名式」を登録
退会手続きが完了したら一連の作業の山は越えたと言えます。
「Suica」を退会したので「記名式」登録環境では選択できなかった「無記名式」が選択できる状態になっていることを確認。「無記名式」を選択し「次へ」に進みます。
ただし、退会手続き後新たに「Suica」カードを作るには解約の翌日7時過ぎからでないとできない仕様となっているのが注意する点です。
「無記名式」はまったく何の情報の記入の必要もありません。ただし、新規作成時には1,000円以上のチャージが必要です。
「無記名式」追加先として「iPhone」にするか「Apple Watch」を選択できます。私は「Apple Watch」で使うのですが、一先ず「iPhone 11 Pro」を選択して進みました。
「エクスプレスカード」選択などを進み「iPhone 11 Pro」の「Wallet」アプリに「Suica」が追加されたことを確認できたら完了です。
引き続き「iPhone 11 Pro」の「Wallet」内の「Suica」を「Apple Watch」に移行します。
手順は「iPhone 11 Pro」の「Watch」アプリの「WalletとApple Pay」にある「Suica」の「追加」をタップするだけ。これで「iPhone 11 Pro」にある「Suica」が「Apple Watch」の「WalletとApple Pay」に移動します。
「無記名式」のチャージは「Apple Watch」から
実際に使用するには1,000円では足りないので「iPhone 11 Pro」からチャージをしようとしたところ会員登録が必要となっていました。
せっかく、「無記名式」にしたのにここで会員登録しては意味がありません(もっとも、今までのように偽名を使えば解決しますが)。一方、「Apple Watch」からのチャージでは会員登録が不要だったので、今後は「Apple Watch」側からチャージすることにしました。
まとめ
以上で、無事「記名式」から「無記名式」への移行手続きが完了。実際に使って問題ないことも確認しました。
これで、「JR東日本」がいつ「Suica」データを民間企業に売っても、私の個人情報は保護することができる環境となりました。