「Apple Watch」で見つからない心電図異常もあることを認識しよう

心電図測定結果

「Apple Watch Series5」から心電図測定「ECG」機能が搭載されました。
それ以降「Apple」は「ECG」機能で助かったユーザーがたくさんいることを訴求しています。IT系メディアも「Apple」の「広報」に乗っかり「Apple Watch」があれば心臓疾患をすべて通知してくれるような記事をアップしています。
しかし、「Apple Watch」で測定できる心電図は医学的な心電図測定のごく一部。「Apple」のCMやIT系メディアの忖度記事に惑わされ「Apple Watch」を付けていれば健康診断などで心電図測定をしなくても良いと誤解しないようにしなくてはなりません。

このように言うのは私の健康診断での心電図異常の結果がその事例だったからです。
2020年、2021年の健康診断で心電図測定が「異常」と診断されました。測定時の装置装着のずれや一時期な症状により異常表記が現れる話も聞きますので1年目は経過観察しました。しかし、2020年に続き2021年も同じ結果。2年続けての異常診断なので少々心配になり病院で精密検査を行うことにしました。
なお、この間「Apple Watch」で数日に一度は「ECG」測定をしていましたが、一度も異常表示はありませんでした。

検査結果は、「緊急に心配する必要はない」とのことひとまず安心です。
CTの具体的検査所見は、

冠動脈に若干石灰化が目立つものの、明らかな有意狭窄を疑う所見は指摘できない。
心拡大、心嚢液、胸水はない。
両肺に活動性病変を認めない。

となっていました。
担当医の説明は「加齢により心臓からの血管に詰まりやすい症状が出ている。それが心電図に反映。でも、急激に症状が進行することはないので心配することはない。今後、心拍数の異常や息苦しさを感じたら受診する程度で良い」でした。

冠動脈に石灰化あるが大事ではないとの診断結果
冠動脈に石灰化あるが大事ではないとの診断結果
冠動脈に石灰化あるが大事ではないとの診断結果
冠動脈に石灰化あるが大事ではないとの診断結果

良い機会だったので担当医に「Apple Watch」の「ECG」測定では異常表示がなかった理由などを聞きました。その説明は下記の通りです。

医療用心電図は全部で12パターンを測定。「Apple Watch」の「ECG」測定はその中の第1パターンだけを測定している。今回発生した異常は第12パターンに現れた症状。このため、「Apple Watch」の「ECG」測定では表示されない。「Apple Watch」の「ECG」測定で異常がないから大丈夫とは言えないのは認識する必要がある。

「Apple Watch」の「ECG」測定で現れない心臓疾患があることを知ることは大事。やはり、年1回の健康診断や病院での精密検査に優るものはないと認識しておきたい

心電図の診断結果