「Value Domain」で契約しているレンタルサーバーを「CORE-MINI(CORESERVER V1)」から「CORE-X(CORESERVER V2)」に変更しました。
目的は、サーバーのスペックアップではなくオープンソースのクラウドストレージ「Nextcloud」を使うためです。
サーバー移行の目的
「Nextcloud」については下記に説明をしていますので、その前に何故「Nextcloud」を使うためにレンタルサーバーを変えなければならないかを説明します。単純に「CORESERVER V1」が「Nextcloud」に対応していなかったからです。
「CORE-MINI」の使用容量は200GB。現在ブログなどで使っているのは50GB弱と1/4程度です。「CORE-MINI」が「Nextcloud」に対応していたら空き容量をクラウドストレージ用として使っても十分なのでサーバー移行は必要ありません。
現在、私は使用しているクラウドストレージは「Dropbox」。
サービス開始当初からですから、もう10年以上利用しています。過去、仕事で利用していた時は有料版でしたが、現在はプライベート利用だけになったので無料版です。通常無料版の上限は2GBですが、私はキャンペーンなどを利用して増量したので無料版なのに容量が10GB弱となっています。容量が10GBもあるのに現使の使用容量は僅か0.8GB…

これからも、私が「Dropbox」に不満を持っているのが仕様容量ではないとわかると思います。
それでは何に不満に思っているかというと、サービス内容の突然の改悪です。これは、「Dropbox」だけでなくそれ以外のクラウドストレージ全般に関して持っている不満点です。
具体的には、「Dropbox」は無料版を2019年3月の規約改訂で今までの使用台数の上限なしから3台に制限しました。3台だと私が現保有している「Mac」、「iPhone」、「iPad」で上限に達してしまい、サブ機などに「Dropbox」を追加できません。
この台数制限で思い出すのが「Evernote」。「Evernote」は「Dropbox」よりも厳しく台数制限なしから2台に制限しました。2台ではクラウドとして使うには台数があまりに少なすぎます。事実上、クラウドストレージの役割を果たしません。故に、私はこれを要因として「Evernote」の使用を中止しました。
このような改悪な事例は「Dropbox」、「Evernote」だけでなく他のクラウドストレージでも起きています。
例えば、「Google Photo」は画像を縮小すれば無制限に保存できたのが、2021年6月から制限がかかりました。「Amazon Drive」も2017年11月に容量無制限プランが廃止されました。
サードパーティーのサービスを利用している限り、サービスを提供している企業の意向により内容の悪化やサービス停止は避けられません。
このような不満と不安を持たなくても良いクラウドストレージを探していました。しかし、無料で使い勝手が良いという、そんな都合の良いクラウドサービスは見つからず時間が過ぎていきました。
そこに、現れたのが「Nextcloud」!
「Nextcloud」の特徴
そこで、「Nextcloud」です。実は、私も今まで「Nextcloud」をまったく聞いたことがありませんでした。
なので、サーバー移行をレポートする前に「Nextcloud」について説明します。
そもそも、「Nextcloud」を知った切っ掛けは「VALUE DOMAIN」のメルマガです。通常「VALUE DOMAIN」のメルマガは、サーバーメンテナンスで停止情報がある場合に注意するだけで、それ以外の記事広告などは興味がないので無視していました。
しかし、そんな中9月9日発行のメルマガ記事に「スマホの写真保存に専用ストレージを作成」というタイトルがありました。
「これって、クラウドストレージのこと?」。いつもはメルマガの記事を無視する私がチョット興味を持ちました。そこで、リンク先の記事に飛ぶと「CORESERVER V2」で自分専用クラウドストレージを構築するという内容です。

サードパーティのクラウドストレージに不安と不満があり代替えを探していた私は俄然興味津々。「Nextcloud」はオープンソースなので無料という点も嬉しいところです。
「Nextcloud」を調べてみるとかなり私の求めている仕様に近く導入に前向きになるクラウドストレージでした。
「Nextcloud」は、2016年にリリースとそれほどの歴史は有りませんが、対応OSは「macOS」、「Windows」、「FreeBSD」、「Linux」。スマートフォンも「iOS」と「Android」に対応。データベースも「MySQL」、「PostgreSQL」の他に「SQLite」、「MariaDB」、「Oracle Database」に対応とかなり充実しています。
多くのオープンソースは魅力的であっても対応OSがかなり制限されてたり機能が少なかったりして、実用性が低い例が多いのですが、「Nextcloud」は幅広いOSに対応しているのでユーザーの環境に限定されないメリットがあります。また、オープンソースなのに豊富なプラグインなどで機能追加できる点も大きな特徴です。Webサイト上での評価もかなり高く「Dropbox」と比較しても遜色ないとの声もあります。
しかし、何といっても一番のメリットは、インターネットに構築する環境をサードパーティー側ではなく自分自身でコントロールができることです!
「Evernote」、「Dropbox」、「Google Photo」などの改悪で痛い目を見たユーザーならクラウドストレージの仕様をユーザーサイドでコントロールできるメリットの大きさは理解できるでしょう。
当然、使用台数制限を心配する必要性がなくなります。また、個人サーバーを立てることができるスキルがある方ならHDDやSSDを追加することでストレージ容量を無限大にできます。その場合、HDDやSSD購入の料金だけでランニングコストはゼロです。
このように、「Nextcloud」にすることで既存のクラウドストレージへの不満が解消する希望が見えてきました。
移行することによるコスト計算
私が現在「VALUE DOMAIN」で契約しているのは「CORESERVER V1」の「CORE-MINI」プランです。
この「CORESERVER V1」に「Nextcloud」をインストールできればサーバー以降は必要ないわけですが、上記のように「CORESERVER V1」では「Nextcloud」をインストール不可です。
これは、「CORESERVER V1」に「Nextcloud」を稼働させるために必要な「XLMWriter」がないのが原因なのでどうしようもありません。
一方、2021年1月からサービス開始した新しいサーバープラン「CORESERVER V2」は「Nextcloud」のインストールが可能!
最近、「VALUE DOMAIN」は「CORESERVER V2」を積極的に訴求していました。メルマガなどで都度都度目にしていたので「CORESERVER V2」に移行した場合のメリットについて以前検討したことがあります。しかし、当時の結論はメリットなし!
一番のNGポイントは価格です。

「CORESERVER V1」の「CORE-MINI」プランは年間料金が2,619円。安い! 一方の「CORESERVER V2」は一番安い「CORE-X」でも6,336円と2.5倍近くもアップします。
「CORESERVER V2」は、ドメイン1つが永久無料になるキャンペーンを実施していますが、それを適用しても4,606円(6,336円-1,730円(ドメイン料金))と1.75倍の差があります。
現在契約の「CORE-MINI」プランに速度、容量ともに不満に思っていないのに、キャンペーンを使っても倍近く料金がアップするのではメリットなしと判断するのも当然でした。
一方、私がサードパーティーが提供しているクラウドストレージの改悪に不満と不安を持っている現状で、今後のクラウドストレージ利用の安心感を得るためにどれだけのコスト負担を容認できるかを考えました。
「CORESERVER V2」料金をレンタルサーバー料金だけでなくクラウドストレージ使用料金も含まれると考えてみます。すると、クラウドストレージ料金は、
6,336円(「CORE-X」料金)-1,730円(ドメイン料金)-2,619円(「CORE-MINI」料金)=1,987円
です。
つまり、年間2,000円弱(月額165.6円)でユーザーサイドで環境を構築できるクラウドストレージができるわけです。
これが、自分自身が納得できるコスト負担なのか否かです。私は、突然の改悪やサービス停止するかも知れないというストレスを抱えて利用するより、年間2,000円弱で安心を得られるのなら、それは十分価値があるのではないかと考えました。
そこで、レンタルサーバー単体ではなくクラウドストレージ兼用のサービスと考え「CORESERVER V2」へのサーバー移行する決断しました。
サーバー変更に向けて

決断はしましたが、広告に謳われているような実用性のある機能を自分の環境でも示してくれるのかは実際に使ってみないとわかりません。いくら評判が高くても、自分の環境で機能するかは別問題です。
「CORESERVER V2」が嬉しいところは、30日間の「お試し期間」があることです。この「お試し期間」は制限はまったくありません。本契約と同様に使用することが可能です(もっとも、サーバーの動作確認で制限があったらテストになりませんから)。1〜2週間では使用実感はなかなか把握できないですが、1ヶ月あればいろいろとテストし実用性を確認する時間が取れます。
と言うことで、早速30日間の「お試し期間」に申し込みしました。
ところが、実際にお試しを開始すると「Nextcloud」使用感以前のサーバー移行に悪戦苦闘することになりました。
理由は、ブログを構築している「WordPress」のデータベース「MySQL」の移行でトラブルが多発したことです。HTMLのブログなら今までのサーバーからデータをダウンロード、新しいサーバーにアップロードすれば完了。しかし、「WordPress」はデータベースを使用しているため、その移行手順が面倒になります。
「WordPress」など「CMS」は通常の更新作業は楽ですが、今回のようにサーバー移行となると煩雑な作業が増えるのがデメリットというのを実感しました。
サーバー移行の悪戦苦闘記は次回にレポートします。
私が遭遇したトラブルは検索結果ではほどんど見つけることができなく、「VALUE DOMAIN」のサポートとのやり取りで解決した事例が多いので、CMSを使っていてこれから「CORESERVER V2」へのサーバー移行を考えている方の参考になると思います。
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