「マインドマップ」を「XMind」から「Scapple」にする

「Scapple」

今回、「マインドマップ」を「XMind」から「Scapple」に乗り換えました。
正確には、マインドマップを止めたと言った方が正確です。

「XMind」を止めた理由

結局馴染めなかった「XMind」
結局馴染めなかった「XMind」

「XMind」を使い始めたのは2019年3月からです。
その後、時々使う程度で頻繁には使ってはいません。「マインドマップ」を使う機会が多くなかったのは「マインドマップ」に不自由さがあったことと、「XMind」のインターフェースに違和感を感じたからです。

そもそも、当初から私は「マインドマップ」の親子関係や階層構造に不自由さを感じていました。
しかし、「マインドマップ」は紙の時代から評判が高いツールなので、馴れればその不自由な感じは解消されると期待しました。でも、ダメでした。
最初から「マインドマップ」にはアイデアを階層構造に収めなければならないという圧迫感と息苦しさがありました。私が求めている自由な発想でのアイデア出しが阻害されている感じが拭い切れません。

さらに、「XMind」のインターフェースの悪さがより一層「マインドマップ」を遠ざけました
「XMind」は「マインドマップ」のソフトウェアで評価が高いソフトウェアです。しかし、実際に使用してみると、いろいろ我慢できずイライラさせる点が多々ありました。
こんな、インターフェースで何で評価が高いの? というのが正直な感想です。

まず、初期設定を変更できる範囲が少ない点です。
初期設定でフォントの大きさが変更できないことに驚きました。
最初の階層のフォントは大きく、次段以降はフォントが小さく表示されます。この次段以降のフォントが私には小さすぎるので設定で変更したいと思ったのですが、その設定項目がありません。
入力後にフォント項目から変更するしかない仕様のようです。信じられない仕様です。手間だけですし、思考を妨げる要素でしかありません。

また、アイデア出しの段階では階層上位が重要キーワードではありません。ですが、「XMind」の表示では、階層構造の初段のフォントが大きく、次段になると小さくなるので初段のキーワードが重要と見えてしまいます
これが思考の邪魔になります。アイデア出しの初期段階では重要度は付けたくないのです。

さらに、その設定変更するインスペクター画面が正常に動作しません。
フォントなどを選択、その後インスペクター画面で設定変更します。続けて別のフォントを選択するのですが、インスペクター画面が切り替わりません。何もない画面をクリックしインスペクター画面を一度クリアー状態にしたしないと設定項目が動作しません。

「XMind」のこのようなインターフェースと「マインドマップ」の階層構造。私のアイデア出しの向上につながらないので見切りをつけました。

「Scapple」を気に入った理由

さて、以上のような理由により、「XMind」に代わるソフトウェアを探すことにしました。
そもそも、以上の不満の理由の多くは「XMind」よりも「マインドマップ」というツールの問題点だと思います。ということは、別の「マインドマップ」のソフトウェアでは、私の希望する自由度が得られないはず。

では、どのようなツールを探せば良いのか?
そのような不明の状況だったので、代替え探しに苦労すると覚悟していました。ところが、探し始めた早々に「Scapple」を見つけました。
幸運だったとしか言いようがありません。
ちなみに、「Scapple」は、「スクラップル」あるいは「スキャプル」と発音するようです。
私が「Scapple」を気に入った理由は、

直感的に使える
親子関係や階層構造を作らない
シンプル
ひたすらキーワードを書ける

です。

「Scapple」のシンプルさを評価
「Scapple」のシンプルさを評価

「Scapple」を使い始めて、まず感じるのは「自由だ!」と言うことです。
「マインドマップ」に付随する親子関係や階層構造を考えながら記述しなくても良い自由さアイデアを出す時の縛りがないのが、こんなに気分が良いとは「マインドマップ」を使用している時には感じませんでした。
「Scapple」はキーワードを記述する際、余計なことを考えずひたすら入力し続けられるのが嬉しい点です。

シンプルながらも、各キーワードに関連付けさせたいなら、その機能は搭載しています。
それも、基本はドラッグ&ドロップするだけ。キーボードショートカットとドラッグ&ドロップするだけ点線、矢印線などが追加できます。この仕様もシンプルながら手間がかからず実用的ですてきです。

「Scapple」のWebサイトには説明動画もある
「Scapple」のWebサイトには説明動画もある

「Scapple」でのアイデア出しの基本的な流れは、キーワードをひたすら入力。その後、そのアイデアを矢印、矢印線や関連付けさせたり、関係するキーワードを枠線で括ります。
アイデアがまとまったらテキストエディター(私は「Jedit Ω」)で文章化します。
2つほどテーマを変えて実用して見ましたが、かなり気に入った使い心地です。

「General」タブの上部2ヵ所をチェックすることが必須
「General」タブの上部2ヵ所をチェックすることが必須
「New Notes」でフォントサイズなどを設定する
「New Notes」でフォントサイズなどを設定する
「New Shapes」で枠線を設定する
「New Shapes」で枠線を設定する

「Scapple」の課題

そんな、超気に入った「Scapple」ですが、残念な点もあります。
最大の残念ポイントが、「iOS」版、「iPad」版がないことです。

「Scapple」は「macOS」版と「Windows」版のみ。「iOS」版、「iPadOS」版はない
「Scapple」は「macOS」版と「Windows」版のみ。「iOS」版、「iPadOS」版はない

このようなアイデア出しツールでは、チョットした隙間時間にそのアイデアをすばやく書き留められのが重要。現在、そのためにはスマホやタブレットで入力できることが必須です。
しかし、「Scapple」は「macOS」版と「Windows」版はありますが、「iOS」版も「iPad」版もありません。
「M1 Mac mini」で使い始めかなり気に入った使い心地だった「Scapple」に「iOS」版も「iPad」版もないと知った時は残念な気持ちが大きかったです。

「M1 Mac mini」環境で「Scapple」をメインで使うならモバイル環境の「iPhone」、「iPad」では別のアプリを探す必要があります。その際、モバイル環境で入力したデータを「M1 Mac mini」環境の「Scapple」に手間なく移行させる方法を考える必要があります。
いずれにしても、「macOS」環境とモバイル環境でのデータのやり取りを手動で行う手間が発生するわけです。この手間を許容できるか否かが「Scapple」を使うポイントだと思います。

「フリーボード.app」で良くない?

「Apple」の「フリーボード」
「Apple」の「フリーボード」

「Apple」は「macOS Ventura 13.1」、「iOS 16.2」、「iPadOS 16.2」以降を対象にした「フリーボード.app」を2022年12月にリリースしました。

「フリーボード.app」の特徴は「無限キャンバス」です。同様の機能を搭載した純正の「メモ.app」との大きな差はスペースが有限か否かということです。
「メモ.app」は、現実の紙のノートと同様です。A4のノートは210mm×297mm以上の広さは使えません。それ以上のスペースが必要な場合は、次ページに続けるしかありません。
しかし、「フリーボード.app」は書くスペースが無限なので、A4を予定していても書くスペースが拡大した場合でもそのまま書き続けることができます。A4判がA3判にもA全判にもなるのです。

これって、そのまま「Scapple」ですよね。
同様に無限キャンバスを売りにしていたサードパーティーソフトウェアは他にもたくさんありましたが、「フリーボード.app」の登場によりそれらのソフトウェアが一瞬で消滅してしまう事態となったといえます。

さらに、「Scapple」は3,400円(学割2,720円)の少々高めの有料ソフトウェアで「iOS」版、「iPadOS」版未対応です。一方、「フリーボード.app」は純正なので「macOS」版だけでなく「iOS」版、「iPadOS」版にも対応。おまけに無料です。

これじゃ、これから使い始めるのなら「Scapple」でなく「フリーボード.app」で良くない? と思うのは当然
でも、「Apple」が「フリーボード.app」の訴求ポイントとして上げているのは、「iPad」環境での手書き入力のようです。手書き入力が訴求ポイントなので「Apple Pencil」使用が前提です。
このためか、「Apple Pencil」が使えない「macOS」環境での評価はイマイチ。
かといって、「macOS」環境で不具合があるわけではないので、時々しか使わないユーザーならデメリットよりメリットの方が大きいはずです。

このような状況でどうする?
理屈では「フリーボード.app」にメリットが多いのは確か。でも、私は「フリーボード.app」に踏み切れないのは、やれることが多過ぎて、私が求めているシンプルでアイデア出しに邪魔にならないインターフェースとは真逆を目差していると感じられるからです。

また、「Apple Pencil」前提の仕様という点もあります。
「iPad」ユーザーは「iPad」の機能紹介で「Apple Pencil」による手書き入力をアピールしますが、そもそも「Apple Pencil」による手書き入力って便利なの? という疑問がわたしには長くあります。
「Apple Pencil」を取り出しての手書き入力よりキーボード入力の方が早くない?
です。
わざわざ、「Apple Pencil」を取り出すよりアプリで入力個所をタップすれば自動でキーボードが現れるのでキーボード入力の方が作業にかかる時間は早いでしょう。
また、ここ20年以上キーボードでの文字入力がメインになっていて手書きで文字を書くシーンなどほぼありません。そのためもあり、漢字もかなり忘れているのは私だけでないはず。忘れた漢字を思い出しながら手書きで書くよりキーボードでの入力すれば自動的に変換すべき漢字が履歴順に表示されます。こちらの方が正確で早いですよね。

まとめ

「Scapple」は買い切り3,400円(税込)。少々高いかも...
「Scapple」は買い切り3,400円(税込)。少々高いかも…

長く提供していくと宣言しながら、数年後に経営方向の転換により、ユーザーの支持を失い事実上消滅したに等しいサードパーティー製ソフトウェアは過去に数え切れないほどありました。私もそれらを使っていて乗り換えに苦労した過去があります。そこで、私はここ5年以降はサードパーティー製ソフトウェアは極力使わずなるべく「Apple」純正でまとめるようにしています。
その考えからすれば、「Scapple」ではなく「フリーボード.app」を使うのが自然です。現在、「macOS」版がイマイチとはいえバージョンを重ねるごとに改善されることは確実。
でも、なぜか「Scapple」に魅力を感じたので30日間の試用期間を過ぎるタイミングで課金しました。やはり、アイデア出しの作業時にある余計な負担を軽減したいと考えた場合、選択肢は「Scapple」でした。

将来、「Scapple」から「フリーボード.app」に乗り換えることになったらブログで報告をします。
それがなかったら、「Scapple」を使い続けていると思ってください(^_^)