前回、「ペーパーライクフィルム」と「Apple Pencil 2」が揃ったので、試し描きをした印象をレポートしました。
次のステップは、本格的に「デジタル描画」をするためにメインとなるアプリの選択です。
「iPad」での「デジタル描画」は今まで無縁だったので、未知の領域。イチから調べ、試し描きをして自分にフィットしているかをチェックしなければならなかったので時間がかかりました。
ピックアップしたアプリ
下記に自分が希望する描画スタイルとフィットすると思われるアプリ8点ピックアップしました。
・Procreate
・Realistic Paint Studio
・Infinite Painter
・Art Set 4
・Sketchbook
・Vectornator
・ibis Paint
・Adobe Fresco
各アプリを「iPad Air 5」にインストール。「Apple Pencil 2」で描画をし、使い勝手を確かめました。
そのアプリの特徴やユーザーインターフェースなどが自分の求めている描画スタイルに合致しているのかを寸評と3段階評価しました。
これはあくまでも私の「デジタル描画」に適しているか否かをチェックしたもので、各アプリの完成度やユニークさとは一致しない点をご理解ください。
Procreate


価格 : 2,000円
3段階評価 : —(有料のため描画テスト不可)
「iPad」の「デジタル描画」で一番有名なのが「Procreate」でしょう。
「macOS」からの移行ではなく最初から「iPad」専用に開発されてたアプリ。描画する際に邪魔になるツール類を極力少なくし、描画に集中できるインターフェースが高い評価となっています。
豊富な鉛筆や筆を搭載。また、手描きの線を長押しすると直線や四角形などに補正される「QuickShape機能」も大きな特徴です。
「Apple」が主催する「Apple Design Award」を2度も受賞していることからもその完成度の高さがわかります。
「Procreate」は2,000円の買い切り有料アプリ。ただし、体験版がないので試して気に入ったら購入という手段を取れないのがデメリットです。
私はまだ「デジタル描画」を続けられるか不安があるので、現時点で購入するにはリスクがあります。
このため、今回は未評価。今後、「デジタル描画」を続けられる目処が立った時点で購入し、その使い勝手を確認したいと思っています。
Realistic Paint Studio


価格 : 1,900円
3段階評価 : —(有料のため描画テスト不可)
思いっ切りアナログ画材に寄ったインターフェースが特徴の「Realistic Paint Studio」。「Painter」を彷彿とさせます。
画面は、スケッチブックなどのキャンパスにパレットから色を取り描画するというアナログ感満載です。
「Realistic Paint Studio」の描画形式は、素描、水彩、油彩3つあります。
一方で、このアナログ感を出したインターフェースのため描画範囲がかなり狭くなってしまっています。ここは、「Procreate」などのように描画に邪魔にならないようツールなどのスペースをなるべく少なくするアプローチとは異なっているので好みの分かれるところです。
「Realistic Paint Studio」は、1,900円の買い切り有料アプリ。「Procreate」と同様体験版がないので今回は試すことができなませんでした。
Infinite Painter

価格 : 無料(1,200円)
3段階評価 : 【★】
「Infinite Painter」は、あまりレビュー動画などがないのですが、紹介しているブログや動画を観てみると他のアプリと遜色がないだけでなく、テクスチャーやレイヤーのクリッピングなど特徴のある機能が搭載されています。
また、他のアプリにはない全体を表示する「ナビゲーター」機能があります。描画の途中で細かい個所を描いていると全体が見れなくなりますが、この「ナビゲーター」機能を使うと画面の端に全体図を表示できるので作業の効率化になります。
「Infinite Painter」は、「macOS」版も無料でリリースされているので、「iPad」と「macOS」間で描画を続けられるのもメリットです。
無料版ではレイヤーが3枚の制限がありますので、本格的に使うなら買い切り1,200円を購入する必要があります。
Art Set 4

価格 : 無料(2,000円)
3段階評価 : 【★★★】
「Art Set 4」の大きな特徴が油彩のリアル感でしょう。
他のアプリでも油彩ブラシはありますが、この「Art Set 4」のリアル感は頭一歩抜きんでています。「iPad」で油彩描画を極めたいなら「Art Set 4」一択です。
また、「Art Set 4」はテクスチャーのある紙がたくさん用意されています。テクスチャーを活かしたアナログ風描画をしたいのであれば有力な選択肢になります。
基本部分は無料で使用できますが、ブラシなどを追加したい場合は買い切り2,000円の有料版の購入が必要です。
Sketchbook

価格 : 無料
3段階評価 : 【★】
「Sketchbook」は、イラストやエディトリアルデザイン向きのアプリです。
左右対称ツールや1点透視、2点透視で図形が描けるパースツールなどあることからも、私が求めている水彩、油彩をデジタルで描くとは違う方向性を持ったアプリです。なので、私の選択肢からは外れます。
「Sketchbook」は、完全無料アプリです。
Vectornator


価格 : 無料
3段階評価 : 【★】
「Vectornator」は、ベクター専用アプリです。
他のアプリはピクセルブラシがメインですが「Vectornator」は「Adobe」の「Illustrator」と同じベクターデータで描きます。「iPad」でベクター描画したい人なら最適なアプリです。
「Illustrator」がマウスで描画するのに対して、「Vectornator」は「Apple Pencil 2」で描画します。なので、マウスでベジェ曲線を描くのが苦手だった人も「iPad」なら「Apple Pencil 2」直感的に描画できるので使用する価値はあるります。
「Vectornator」は、完全無料アプリです。
ibis Paint

価格 : 無料
3段階評価 : 【★★】
「ibis Paint」は、無料「お絵描き」アプリで最強との評価があります。
「ibis Paint」のWebサイトでは「まんが」が前面に出ていますので「まんが」に特化したアプリなのかと思ってしまいますが、ブラシには「まんが」用のペン以外にもアクリル、ガッシュ、水彩、油彩とあり、幅広い描画に対応しているので「アナログ描画」を求めている人にも使用することができます。
「ibis Paint」で「Ad」のマークがある一部のブラシはそのままでは利用できません。これは、課金(「プレミアム会員」)することで利用できるようになるのですが、無料ユーザーのままでも15秒ほどの広告を見ることで18時間使用可能になっています。本格的に使用したい場合は課金ユーザーになった方が良いですが、18時間ごとの手間を厭わなければ無料のままでも利用に制限がかかりません。
「プレミアム会員」は、月額300円(税込)、年額3,000円(税込)のサブスクになっています。
Adobe Fresco

価格 : 無料(1,150円/年)
3段階評価 : 【★★★】
「Illustrator」、「Photoshop」で有名な「Adobe」が「iPad」用に開発したのが「Adobe Fresco」。
「Adobe Fresco」の特徴は、「ピクセルブラシ」と「ベクターブラシ」を混在して使えることです。
また、アナログ画材の水彩のにじみと油彩の厚塗りを再現した「ライブブラシ」は評価の高い機能です。
特に、アナログの水彩画材を使ったことがあれば、「Adobe Fresco」の水彩のにじみの表現は感動するでしょう。
一方、油彩に関しては「Art Set 4」の表現力には適いません。しかし、「Art Set 4」は2,000円の有料アプリ。無料での油彩表現にこだわるなら「Adobe Fresco」で十分といもいえます。
「Adobe Fresco」は、基本機能無料ですが、より多くのブラシなどを希望する場合は年額1,150円のサブスクに加入が必要です。
「Adobe Fresco」は当初、月額1,078円のサブスクでしたが、2022年5月から年額1,150円と大幅値下げをしました。「Creative Cloud」で金の亡者と言われている「Adobe」が、1/12に値下げするなんて信じられませんが、真実です。
月額1,000円は一般ユーザーには現実的な購入価格ではありませんが、年額1,000円なら十分課金しても良いと思える価格です。
まとめ
体験版がない「Procreate」、「Realistic Paint Studio」、「Art Set 4」以外を「iPad Air 5」はインストールし試し書きをしました。
短時間の試し描きでしたが、その中でも私が興味を持ったのは「Art Set 4」と「ibis Paint」、「Adobe Fresco」です。私の目標が水彩やガッシュ、アクリルなどのアナログ画材を模した描画なので残念ながら「Sketchbook」、「Vectornator」は外れてしまいます。
今後は、「Art Set 4」と「ibis Paint」、「Adobe Fresco」をもうしばらく試しながらどれをメインアプリとするかを決めていきたいと思います。
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