「J:Com」録画をTS抜きにするための悪戦苦闘記

「J:Com」Webサイト

テレビ受信を「J:com」に変更

昨年12月に引っ越しをしました。
それに伴い、自宅のテレビ受信をCATV(「J:Com」)に変えました。

以前の住居では、地上波はベランダ置き・壁取り付けのフラットUHFアンテナにしていました。地上波がアナログからデジタルに移行した際、数万円かけて屋根にあるVHFアンテナをUHFアンテナに付け替えるのは勿体無いと思い、5,000円程で設置できるベランダ置き・壁取り付けフラットアンテナにしたのです。

数万円かかるのを5,000円にできたのはメリットでしたが、壁取り付けではなくベランダ置きにしたため台風など強風があるとアンテナの受信角度がズレたり、転倒したりして受信が不安定になりました。
また、BS/CSのパラボラアンテナはベランダにしっかりと設置していましたが、豪雨や積雪があると受信電波が乱れ受信不可になります。

そのようなこともあり、引っ越しに際し天気に影響されない「J:Com」にしたのです。

「J:Com」の独自制限による問題

「J:Com」にしたことで、天気に左右されず安定してテレビ視聴ができる環境になった一方で、「J:Com」の独自制限のため、既存のレコーダーで録画できない問題が発生しました。

今どき、「ヨドバシカメラ」だけでなく「Amazon」で販売されているレコーダーはDLNA対応になっており、地デジ放送、BS/CS放送の録画に対応していない機器はありません。
しかし、「J:Com」はDLNA以外に「J:Com」独自の制限をかけているため録画できる機器が制限されます。
「J:Com」のWebサイトで対応レコーダーが表記されていますが、それは大手メーカー(パナソニック、ソニー、東芝、シャープ、三菱)のレコーダーのみ。IT系メーカー(IOデータなど)が発売しているレコーダーの記載はありません。

動作確認されているのは一部メーカーの製品だけ
動作確認されているのは一部メーカーの製品だけ

また、大手メーカーでもすべてが網羅されているわけではありません。
私が使っていた「東芝」のチューナー「TT-4K100」は「J:Com」の中に記載がありません。

事実、「J:Com」の「セットトップボックス(以降「STB」)に「TT-4K100」を接続しましたが、地デジは受信できるがBSは受信できない症状になりました。
「J:Com」のサポートに電話で問い合わせすると、非対応とのこと。Webサイト上での情報によると、非対応のレコーダーの症状として地デジは受信できるがBS/CSは受信できないとの説明がありましたので、「TT-4K100」が「J:Com」からの録画に対応していないのは間違いないでしょう。

ルーター経由のレコーダー接続方法
ルーター経由のレコーダー接続方法
ルーターを使用しないレコーダー接続方法
ルーターを使用しないレコーダー接続方法

「J:Com」の独自制限は「STB」に依存

「J:Com」の独自制限の問題点はまだあります。
「J:Com」で録画した制限は「STB」に依存します。
これの、どこが問題かというと、「J:Com」に契約した家庭に「STB」が複数台あった場合、その家庭内の「STB」間でもテレビ録画した外付けHDDの共用ができなるのです

また、メーカーのテレビやレコーダーは交換部品保有期間が7〜8年あるので、その間は録画番組の視聴が保証されます。
しかし、「J:Com」の「STB」にそれだけ長期間の保証があるか疑問です。「STB」はテレビを視聴するための機器。視聴を保証すれば良いだけ。録画番組の視聴を長期間保証する必要はないと考えても不思議ではありません。
「STB」が故障し、新しい「STB」が旧機種との互換性がなくなれば交換したと同時にテレビ録画した番組が視聴不可になります。
そもそも、「J:Com」の契約を終了して時点で詰みますが…

その意味からも、「J:Com」の制限に依存しない状態での録画番組の保存が望ましいところです。

録画データの保存方法

解決策としては、「J:Com」が対応を告知しているレコーダーを購入するのが一番簡単。でも、その告知されている対応レコーダーは5万円以上と結構高いです。

また、これではTS抜き録画にはなりません。単に、「ダビング10」の範囲内で新しいレコーダーにダビングをしただけ。
なので、TS抜き録画データを欲している私にはこの方法は満足する解決手段となりません

そこで、TS抜き録画を行う時だけ「STB」をリビングから「M1 Mac mini」のある机に移動する方法を試すことにしました。
「TT-4K100」で行った方法。この方法で解決すれば手間はかかりますが出費なしです。

早速、動作確認です。「M1 Mac mini」と「STB」を接続。「OBS」を起動し「OBS」の画面にテレビの画面が表示されればOKです。
「TT-4K100」ではTS抜きの際、アンテナ端子に接続していないので「OBS」の初期画面では「アンテナが接続されていません」という表示が出ました。しかし、「STB」では真っ黒のまま。
たぶん、「STB」がアンテナ端子につながっていないので、「J:COM」の外部ケーブルからの制限信号が「STB」で解除されないのでしょう
正直、予想はしていました。

次ぎに考えたのが、正常にアンテナ端子に接続された状態の「STB」に「M1 Mac mini」を接続したらどうなのだろう? です。
「M1 Mac mini」購入でお蔵入りになった「Mac mini 2012」を持ち出し、「STB」に接続しました。
すると、「Mac mini 2012」の「OBS」画面にテレビ映像が表示されています。つまり、この接続方法ならTS抜き録画ができるということです。
なお、TS抜き録画を行うため「BOSTIN」の「Mirabox HSV321」を使用しています。

この時の接続方法は、
「STB」のHDMI端子のOUTから「HSV321」のHDMI端子のINにHDMIケーブルで接続
「HSV321」のUSB端子のOUTから「M1 Mac mini」のUSB端子のINにUSBケーブルで接続
「M1 Mac mini」のHDMI端子のOUTからテレビのHDMI端子のINにHDMIケーブルで接続
です。

「OBS」画面に「STB」画面が表示されましたので、引き続き「OBS」でTS抜き録画ができるかを検証しました。
「OBS」は正常に動作、そのまま録画完了まで進みました。
つまり、「Mac mini 2012」の再投入で問題解決! コストゼロで問題解決! と思ったところ問題発生。
TS抜き録画した録画データを再生確認したら映像が駒落ちしていました。特に、サッカーのような動きの速い番組の場合、ほとんど静止画状態です。
原因は明らか。「Mac mini 2012」のスペック不足が原因なのは間違いありません。

そこで、この仮定を検証するため機器を「Mac mini 2012」から「M1 Mac mini」に代え、同じように「OBS」で録画をしました。
「M1 Mac mini」の場合は駒落ちすることなく正常に録画されています。これで仮定は証明されました。
やはり、10年前の機種での「OBS」録画は無理があったようです。

スペック確認

「Mac mini 2012」ではスペック不足だが、「M1 Mac mini」なら問題が解決との解答を得ました。
では、どのくらいのスペックなら「OBS」でのTS抜き録画の許容範囲なの? と疑問を持ちました。

スペック比で安く済ますなら中古の「Windows」機の購入も選択肢になります。
「Windows」ユーザーならそれもアリでしょう。でも、「Mac」ユーザーの私にとって「Windows」機は未知のマシン。
まして、いろいろな裏テクニックが必要になりそうなTS抜き録画に、不慣れな「Windows」機で対応できる自信はありません。
結局、「Mac」ユーザーの私には問題点のレベルが高過ぎ解決できず「Windows」機購入が無駄な出費になる可能性も否定できません。

ならば、最初から中古「Mac」の購入に絞って検討した方が安全です。
しかし、「Apple」製品はリセールバリューが高いので売る時には嬉しいですが、買う時には辛いです。
「Windows」機なら数年前の機種は二束三文ですが、「Apple」製品の場合、数年前でも定価と対して変らなかったりします。
しかも、「OBS」でのTS抜き録画をするので低スペック(「Mac mini 2012」)では用をなさないのは証明されています。中古でも新し目なのが必要。すると、そこそこの値段になりそうです。

中古で購入可能で最適な機種としては「Mac mini」一択と考えています。
何故なら、TS抜き録画する時はテレビをディスプレイとして使うので、ノート型は必要ありません。また、テレビ台に収めることが必要なので「iMac」などの大型デスクトップ機種も対象外になります。そうなると残る機種は「Mac mini」だけです。

「Mac mini」の歴代機種の発売年は、「Intel」モデルが2012年、2014年、2018年、「Apple Silicon」が2020年、2023年です。
2012年モデルはすでにテスト済みで不可が確定。すると2014年モデルか2018年モデルです。
中古ショップの「イオシス」や「じゃんぱら」で価格を調べると、2014年モデルは15,000〜20,000円とかなり割安。しかし、2014年モデルが今回の作業に必要なスペックに達しているか確証が持てません。
当時の「Mac mini」の進化は遅く、2012年モデルと2014年モデルではスペック的に大差ないと記憶しています。
2012年モデルが不適切と判断されているのに、それよりも多少アップしたくらいの2014年モデルを購入するのはいくら安いとはいえ、安物買いの銭失いになる心配が大です。

一方、2018年モデルは42,000円からです。
2012年モデルから比べるとかなり価格はアップします。その上、「M1 Mac mini」の中古が57,980円からで販売されているなので、その差は約16,000円
正直、「Intel」製の2018年モデルと「M1 Mac mini」の価格差が約16,000円なら、「M1 Mac mini」購入の方が安心だと思います。
さらに、「Apple」のサポートも今後は「Apple Silicon」がメインになることから考えても「M1 Mac mini」の方が長く使い続けられることは確かです。

コスト計算

以上の考察から、購入するなら「M1 Mac mini」一択の結論になります。
しかし、「M1 Mac mini」は発売から3年近く経過しますが、中古市場ではそんな安くはありません。

「じゃんぱら」での中古「M1 Mac mini」の販売価格
「じゃんぱら」での中古「M1 Mac mini」の販売価格
記事執筆時の最低価格は57,980円だった
記事執筆時の最低価格は57,980円だった

現状の環境のままだと、TS抜き録画をする度に机の上の「M1 Mac mini」の接続を外し、リビングに持って行き「STB」に接続するので手間がかかり過ぎかなり不便です。
それでも、TS抜き録画は四六時中やるわけではなく、(W杯など大きなサッカー大会がなければ)1ヶ月に1回程度で十分。1ヶ月に1度程度のその手間に6万円弱もの出費をする価値があるのか? と考えている自分がいます。

「M1 Mac mini」購入を思いとどまる

1ヶ月に1度程度の利用のためだけに6万円弱の出費は「勿体ない!」が結論です。
6万円弱を出費するくらいなら、多少の手間が発生しても「M1 Mac mini」を1ヶ月に1度移動する方が良いとの考えに落ち着きました。
正直、「M1 Mac mini」で問題解決とわかった当初は、中古「M1 Mac mini」の購入に前向きでした。即、購入の勢いでした。
が、留まりました(^.^;)

やはり、1ヶ月に1度の作業に6万円弱はコストパフォーマンスが悪いです。
TS抜き以外にも使えればまだ考慮すべき点もありますが、リビングでそれ以外に使う当ては見つけられません。
ということで、テレビ番組の録画データが溜まったら、現行の「M1 Mac mini」をリビングに移動し対応することにしました。

ただし、リビングでの操作環境のためにBluetooth対応の格安キーボードとマウスを購入しました。
私の「M1 Mac mini」の通常環境では、キーボードとマウスは有線で使用しています。しかし、リビングで使用する際にはキーボードとマウスが有線では操作が不自由です。
リビングでの使用時は、「OBS」での録画開始や録画停止をするためのマウスの使用だったり、TS抜き録画データのファイル名の記載など限定されています。長い文章を打つことはないので、デザインや打ちやすさではなく安いのを優先で選択しました。

やっと、TS抜き録画の環境が決まったので、今年半年間の録画を順次TS抜き録画データにしていきます。

 

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