「OWC」の外付けM.2 MVNeケース「Express 1M2」を購入!

「OWC」の外付けM.2 MVNeケース「Express 1M2」

「M.2 MVNe」の外付けケースで最大速度3,151MB/sを実現した「OWC」の「Express 1M2」を購入。外付け「M.2 MVNe」でのスピードアップに取り組み始めました。
「Express 1M2」購入に至った経過についてレポートします。

「Express 1M2」を知った切っ掛け

「OWC」の「Express 1M2」を知ったのは5月25日、アキバの「秋葉館」のツイートです。
その「秋葉館」の該当のツイートが下記です。

「秋葉館」の「twitter」での「Express 1M2」販売開始の告知
「秋葉館」の「twitter」での「Express 1M2」販売開始の告知

この「Express 1M2」の商品説明で私が気になったのが「超高速最大3,182MB/s」の転送速度の記述です。
何故なら、私が「M1 Mac mini」購入後に知った「OWC」のWebサイトのニュースページにあった記述(現在はアクセス不可)では、

M1 MACの外付けドライブで期待していた書き込み速度が出ない?それはあなただけではありません。面白いことを発見したので、読んでみてください。

とあり、「Apple Silicon M1」の外付けSSDで転送速度が出ないのは「Apple Silicon M1」の仕様というか制限が原因と結論付けています。
「Apple Silicon M1」での外付けSSDの転送速度問題点を指摘した「OWC」が、今までの転送速度を突破した外付け「M.2 MVNe」ケースを発売したということは、その問題点をクリアーしたと理解しました。
事実、「Express 1M2」の商品説明の中に、それを示唆する記述があります。

OWCはthunderboltのエキスパートであり、Intelとも密接に連携しているので、みんなが見過ごしているかもしれない細部にまで目が届いています。OWCソリューションの製品はthunderboltのフルスピードで認証を受けていますが、DIY筐体では(弊社に限らず)その半分のスピードの制限されています。USB4はExpress 1M2 のパフォーマンスを最大限に発揮できるので、理想のドライブを構築することができます。Intelの仕様に準拠でない製品でがっかりするような遅い速度のような製品とは異なり、Express 1M2のUSB4接続は、OWCソリューションに期待される最高速度と信頼性を保証します。

やはり、この文面からも今まで自社の製品も含め問題になっていた「Apple Silicon」における転送速度の低下が解決したことが伺い知れます。

「Express 1M2」の詳細

私が「M1 Mac mini」購入に伴い購入したのが「Samsung」の「SSD 980 / 1TB」です。
「SSD 980」の公称速度は3,500MB/s、「M.2 MVNe」の外付けケース「Yottamaster」の公称伝送速度2,731MB /sですが、前述のように実測での転送速度が2,000MB/s前後止まりとなっています。
これが改善されているのなら「Express 1M2」は大変に興味のある製品となります。

「Apple Silicon」での「Express 1M2」の実行転送速度は3,151MB/s
「Apple Silicon」での「Express 1M2」の実行転送速度は3,151MB/s

「秋葉館」のツイートで知った「Express 1M2」ですが、ネットで調べたら米国では昨年12月に発売されていました。
私がフォローしているブログでも米国での販売情報はアップされていたのですが、見落としておりまったく気付きませんでした。

2023年12月、いつも見ているブログで「OWC」が米国での販売したことをアップしていたが、見落としていた
2023年12月、いつも見ているブログで「OWC」が米国での販売したことをアップしていたが、見落としていた

米国で半年も前に販売されていたので「Mac」ユーザーが海外通販で入手しレビューしていることを期待し検索をしましたが、ひとつもヒットしません…
私的には、信頼性の高い「OWC」が今までの制限をクリアーし公称転送速度3,000MB/sを超えた「M.2 NVMe」ケースを販売したので注目しましたが、世間の「Mac」ユーザーには興味が高くなかったようです。
今の「Mac」ユーザーは「Apple」から与えられるモノだけで満足するようになってしまい、いろいろとカスタマイズしハード的にアップデートし楽しむ文化はなくなったようです。残念…

「Express 1M2」の種類と価格

「Express 1M2」は「M.2 NVMe」搭載済みとケースのみの2種類がある
「Express 1M2」は「M.2 NVMe」搭載済みとケースのみの2種類がある

米国での「Express 1M2」は、1TB、2TB、4TBの「M.2 NVMe」が搭載されているモデルとケース単体のモデルがあります。
しかし、「秋葉館」で販売されているモデルには当初「M.2 NVMe」搭載しかありませんでした。その「M.2 NVMe」モデルは、「OWC」から仕入れて即販売ではなく「秋葉館」で動作確認しているとのこと。
初心者が購入後すぐに使えるように配慮しているのは評価できますが、その一方でそこにコストがかかっているので米国での販売価格に比べ割高になるのは避けられません。
また、すでに「M.2 NVMe」ユーザーにとっては単体モデルを購入し、手持ち「M.2 NVMe」を活用したいと考えるのが自然です。その声が大きかったのか、「秋葉館」は「M.2 NVMe」搭載モデル販売後約1週間で単体販売も開始しました。

1週間ほど遅れて「Express 1M2」のケースのみの販売開始の告知
1週間ほど遅れて「Express 1M2」のケースのみの販売開始の告知
「秋葉館」では25,800円(税込)で販売
「秋葉館」では25,800円(税込)で販売

その価格は25,800円(税込)。米国での「Express 1M2」単体販売価格が119.99ドル(「OWC」直販価格)なので割高だと感じました。
米国「OWC」直販Webサイトでは日本への販売も可能です。米国直販の方が安いようなら選択肢にもなります。そこでシュミレーションをしました。

米国から個人輸入すると送料などがかかり143.83ドルになる
米国から個人輸入すると送料などがかかり143.83ドルになる

米国「OWC」直販Webサイトでは本体価格の他に送料(23.34ドル/FedEx)と税(0.5ドル)がかかるのでトータルで143.83ドルになります。
現在、大幅な円安で1ドル160円ほど。その為替レートで計算すると23,012円です。「秋葉館」での単体モデルの販売価格が25,800円(税込)なのでその差は3,000円弱。
思ったよりも価格差は小さかったです。3,000円ほどの差なら、初期不良などのトラブル時の対応を考えたら「秋葉館」で購入した方が安心できると思います。

「Express 1M2」の実用性

今回購入の「OWC」の外付け「M.2 MVNe」ケース「Express 1M2」
今回購入の「OWC」の外付け「M.2 MVNe」ケース「Express 1M2」

さて本題です。
この「Express 1M2」。私の環境で購入するメリットがあるのでしょうか

実際、公称最大速度が2,000MB/s前後の現状環境から3,182MB/sにアップしても体感的にその差がほとんど感じられないのは理解しています。
とは言いながら、体感速度は変らなくてもスペック値が上がるのは気分的に嬉しいもの。でも、体感速度が変わらないのに26,000円も出費するのは割に合うのか? と考えてしまうのは正しいでしょう。

さらに、疑問がひとつあります。
「M.2 MVNe」は公称転送速度の違いにより「Gen 3」、「Gen 4」、「Gen 5」と3つに分かれます。
各々の公称転送速度の上限は「Gen 3」が3,500MB/s、「Gen 4」が7,500MB/s、「Gen 5」が15,750MB/s。私の使用している「Samsung」の「SSD 980 1TB」は「Gen 3」で公称転送速度は3,500MB/sとなっています。

底面以外はアルミ製ヒートシンク
底面以外はアルミ製ヒートシンク
前面はLEDランプのみ
前面はLEDランプのみ
背面は「Thunderbolt/USB4」端子のみ
背面は「Thunderbolt/USB4」端子のみ

と言うことで私の疑問は、「Express 1M2」の公称転送速度3,182MB/sは「Gen 3」でも実現可能か? です。
今、市場で主流の「Gen 4」なら「Express 1M2」の上限値は出ることは可能だと思うのですが、「Gen 3」ではそこまで出ない可能性があります。
せっかく購入したのに今と同じ転送速度しか出ないなら無駄使いでしかありません。

そこで、購入前に「秋葉館」に問い合わせしました。
一般のPCショップでは「Windows」が中心なので店員の知識も「Mac」環境での動作状況の状況など一般ユーザーレベルしかありません。
しかし、「秋葉館」は「Mac」専門ショップ。「Mac」環境での動作については詳しく把握しているはずです。

電話で問い合わせしたところ、さすが「Mac」専門ショップです。すでにいろいろと社内のサポート部門で検証を行っていました。
結論は、転送速度3,182MB/sはあくまで条件が揃った場合の公称最大転送速度で、どのような環境でも3,182MB/sが出るわけではないとのこと。
サポート部署での実地検証では、「Gen 3」で3,182MB/sを出すことは難しい、公称最高転送速度3,182MB/sを求めるのなら「Gen 4」以上を薦めるとのことです。それも、5,000MB/sモデルではなく7,500MB/sの方が無難との返答でした。

「Express 1M2」の活用方法

「Express 1M2」と今まで使っていた「Yottamaster」ケース(放熱用フィンを追加している)の大きさ比較
「Express 1M2」と今まで使っていた「Yottamaster」ケース(放熱用フィンを追加している)の大きさ比較

「M1 Mac mini」本体の読み込み・書き込みの転送速度は3,000MB/s前後。
「Gen 4」の「M.2 NVMe」を「Express 1M2」に載せると「M1 Mac mini」本体と同等の転送速度になります。つまり、外付け「M.2 NVMe」を起動ストレージとして使っても本体と遜色ない転送速度が得られると言うことです。

「Apple」製品のストレージ増量はメチャ高いので有名。
「Mac」で256MBから512MB、512GBから1TBにすると30,000円プラス(以前は22,000円だった)となります。
現在、「Gen 4.0×4」の「M.2 NVMe」でも1TBから2TBにしても7,000から8,000円アップ程度です。

底面のネジを外し内部にアクセスする
底面のネジを外し内部にアクセスする
「Express 1M2」の内部の構造
「Express 1M2」の内部の構造

「Apple」製品のストレージ増量は割高ですが、今までは外付けストレージにすると転送速度の低下を招くので購入時にストレージ増量を選択するしかありませんでした。
しかし、「Express 1M2」の外部ストレージで3,000MB/s前後前後の転送速度が確保できるのなら、「Mac」本体購入時のストレージは最小にし「Express 1M2」に搭載する「M.2 NVMe」でストレージ増量をすればコストダウンを図れます。

自分の環境でのメリットは?

以上のように、これから「Mac」を購入するなら本体ストレージは最初にし、「Express 1M2」ので外部ストレージを大容量化するは有効な選択肢になります。
一方で私のようにすでに「M1 Mac mini」で大容量ストレージに増量したユーザーにはメリットは皆無です。
とわかっていながら、結局「Express 1M2」を購入してしまった私です。

「Express 1M2」と既存の「Samsung / SSD 980」
「Express 1M2」と既存の「Samsung / SSD 980」
「Express 1M2」に「Samsung / SSD 980」を取り付ける
「Express 1M2」に「Samsung / SSD 980」を取り付ける

メリットがないのに購入に至った最大の理由は、「Express 1M2」の外付け起動ディスク化が今後の「M1 Mac mini」利用の有効な選択肢と考えたからです。
現在私の「M1 Mac mini」のストレージは1TBですが、残り容量は300GBになっています。しかし、これはつい最近、ストレージの容量が少なくなっていたので整理し削除を行ったから。削除の前は100GB強でした。
SSDは、ある程度の空き容量(20%程度)がないと動作が不安定になるとのこと。
今までの使用方法を振り返ると、また空き容量が切羽詰まることが十分考えられます。ならば、いっそ「Express 1M2」を外部起動ディスク化してしまうのも有効かな、と思ったわけです。

本体を起動ディスクにしている限りストレージを増量することは不可能ですが、「Express 1M2」を起動ディスクにしているのなら1TBから2TBに増量するのは簡単です。
まぁ、後付けの苦しい理由になります。実際は衝動買いに近い気持ちで購入してしまったというのが正直なところです(^.^;)

スピードテスト

「秋葉館」の新店舗に初めて行った
「秋葉館」の新店舗に初めて行った

「Express 1M2」を買いに久々にアキバの「秋葉館」に行きました。「秋葉館」が新しい店舗に引っ越ししてから初めての訪問です。
なお、ここは以前「はなまるうどん」があった場所なので、私にとって懐かしい場所でもあります。

購入後帰宅し「Express 1M2」を開封。手持ちの「Samsung」の「SSD 980」を「Yottamaster」ケースから「Express 1M2」に載せ替えます。

ところで先日、「YouTube」を見ていたら「M.2 NVMe」をケースに入れるだけの作業を「自作」と言っているチャンネルがありました。それも、ひとつではなく複数あり、非常に違和感を持ちました。
真空管アンプを基板なしで手配線していた人間から言わせると「PC自作」も自作ではなく単なる「組み立て」と思っていたくらい。なので、基板を差し込み、ネジ数本を取り付けるだけを「自作」と言っている人の言葉のチョイスを疑いました。

さて、本命のスピードテストの結果です。

「Yottamaster」でのスピードテストは2,000MB/sに届かない
「Yottamaster」でのスピードテストは2,000MB/sに届かない

「Yottamaster」ケースに入れていた「SSD 980」のスピードテストの結果は以前と同じ2,000MB/s弱で変化ありません。
それを「Express 1M2」でのスピードテストの結果は2,100MB/s前後。多少スピードアップしましたが、「秋葉館」の言うように「Gen3」で大幅なスピードアップにはなりません

「Express 1M2」でのスピードテスト。書き込みは2,200MB/sに、読み込みは2,900MB/sにアップ
「Express 1M2」でのスピードテスト。書き込みは2,200MB/sに、読み込みは2,900MB/sにアップ

ちなみに、「M1 Mac mini」本体のスピードテストの結果は、下記のように3,000MB/sほどでした。

「M1 Mac mini」1TBのスピードテスト結果
「M1 Mac mini」1TBのスピードテスト結果

やはり、「Express 1M2」の公称最大転送速度3,182MB/sを得るには「Gen4」以上が必要とわかりました。
後日、「Gen4.0」購入した上でスピードテストを行ったら結果を報告します。
なお、「CrystalDiskMark」でスピードテストをしたら「Express 1M2」の公称代々転送速度を上回りました。何故? 不思議です?

「CrystalDiskMark」での「Express 1M2」のスピードテストでは3,000MB/sを越えている不思議
「CrystalDiskMark」での「Express 1M2」のスピードテストでは3,000MB/sを越えている不思議