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PowerMac G4 グラフィックカード交換

いろいろと内部を改造しまくっている自宅のPowerMac G4/400改(1.4GHz)ですが、またまた改造をしました。その経緯を報告します。

過去にHDDの増設やVD-ROMからDVDへの載せ変えなどの簡単なモノから、電源容量のアップための内部電源ユニットの載せ変えやCPUアップグレードカードなどの改造を行ってきました。
過去の改造一覧は、下記の通りです。
内蔵ドライブ載せ替え
内部冷却ファン交換
内部電源を交換
CPUアップグレードカード購入
ATAアダプターカード購入
12cmファンの交換
CPUカードファンの交換

改めて見るとずいぶん入れ替え、交換を行っていますね。
このように改造しまくっていましたので、PowerMac G4/400で現在も残っているのは基板だけと思っていましたので、もう改造する個所はないと思っていました。
しかし、ひとつ忘れていたことに気がつきました。グラフィックカード(ビデオカードとも言うようです)です。

グラフィックカード購入決定までの経緯

私が06年夏以降にMacOS Xをメインにするようになって不満に思うようになったのが「起動スピードの遅さ」です。MacOS Xの起動や各アプリケーションの起動がMacOS9.xよりも明らかに遅いのです。
CPUはアップグレードカードに載せ替えていますので、その上で起動が遅いのは基板のシステムバスがボトルネックになっているのは明白です。PowerMac G4のシステムバスクロックは100MHzしかありません。ちなみに、最後のPowerPCのPowerMac G5では800MHz〜1.0GHzとなっています。
しかし、システムバスクロックを代える手段はありません。また、PowerMac G4改(1.4GHz)はほとんどの個所を改造していますので、買い替えでなく改善する個所は残っていません。多少なりとも改善の可能性の残っているのがグラフィックカードの交換だけです。

そもそもMacの場合は、最初からしっかりとしたグラフィックカードが入っているのでMacユーザーには「グラフィックカードを載せ替える」という発想があまりありません。私も当然グラフィックカードについての知識は全くありませんでした。
この辺りは、申し訳程度のグラフィックカードしか載せていないため、グラフィックカードを交換するのが趣味となっているユーザーが多いWindows機とは違いますね。

以上のような理由で、グラフィックカードで私の不満点が改善されるか調べてみました。
しかし、グラフィックカード交換のメリットは、3D描画の高速化とのことです。単純な2D描画(Photoshopなど?)でも、大きな効果はないようです。まして、起動スピードの改善のためのグラフィックカード交換は意味がないとの結論が得られました。
残念な結論となりました。
でも、Photoshopなどでの描画に多少なりとも改善が得られるのならグラフィックカードを購入してみても良いかなと思いました。←他の個所で改善する個所がないのも大きい理由ですが...。

引き続きPowerMacG4/400改(1.4GHz)に対応しているグラフィックカードにどんなモノがあるのかを調べました。
グラフィックカードにはAGPとPCIという2種類があることがわかりました。また、理由はわかりませんがPCIカードよりのAGPカードの方が改善幅が大きいらしいです。
さらに、PowerMac G4/400はかなり古い機種なので最新のグラフィックカードでは対応機種となっていないこともわかりました。
つまり、これから購入するには中古品しかないということです。

中古品と言えばSofmap。
しかし、Macの中古をかなり扱っているSofmapでもPowerMac G4/400用のグラフィックカードはありませんでした。
では、Mac専門ショップの秋葉館です。ここでもグラフィックカードの中古はまれに入荷するだけでした。
そこで、全国のMac専門ショップをWebサイトで探して対応するグラフィックカードが出ているかを調べました。中古品を扱っているMac専門ショップでもなかなか販売されていませんでした。

「ATI Radeon 9800 Pro
128MB AGP DVI/VGA/
S-Video」のバルク品

そんなこんなで何ヶ月か経過してしまったある日、「MacTree」「Macお宝鑑定団」などにバナー広告を掲載してる「Vintage Computer」(本社・米国)にPowerMac G4/400用AGPグラフィックカードがアップされているのに気がつきました。
型番は、「ATI Radeon 9800 Pro 128MB AGP DVI/VGA/S-Video」でバルク品となっていました。価格は21,000円です。
同じく「nVIDIA GeForce4 Titanium 128MB AGP ADC & DVI TwinView対応」も出ていました。
Webサイト内の説明によると「Radeon 9800 Pro」はMacOS X10.2.5以上対応。一方の「GeForce4」はMacOS9.2もサポートしています。
「Vintage Computer」Webサイトにはユーザー同志のBBSがありましたので、そこで「Radeon 9800 Pro」と「GeForce4」の違いをもっと詳しく知りたいので質問しました。
回答によると2つのAGPグラフィックカードの特長は下記のようでした。

「Radeon 9800 Pro」
 ・OS 9非対応
 ・Core Image対応
 ・Quartz Extreme対応
「GeForce4」
 ・OS 9対応
 ・Core Image非対応
 ・Quartz Extreme対応

2D性能では体感的にそれほどの差はないとのことです。3Dの性能については、やや「Radeon 9800 Pro」が上ですが、その差はそれほど大きくないと言います。
MacOS X10.5で採用される「Core Animation」は、AppleのWebサイトで「すべてのCore Image対応Macで動作」となっていますので、「Radeon 9800 Pro」対応、「GeForce4」非対応となります。
つまり、「Core Image」機能とMacOS9.2がトレードオフとなっているのです。
MacOS9.2起動を希望するならば「Core Image」機能を諦める。 「Core Image」機能を希望するならばMacOS9.2での起動を諦める。 となります。

私としては、QuarkXPressなどの過去のデータがあるのでMacOS9.xでの起動を希望していました。しかし、そうすると「Core Image」機能が使えないわけです。10月発売予定のMacOS X10.5にした場合(←PowerMac G4でMacOS X10.5まで引っ張るか(^.^;))「Core Image」機能が使えないと、便利な新機能が使えなくなる可能性もあります。
今後を見据えた場合、MacOS Xにシフトした方が後悔しないように思い始めました。
万が一、MacOS9.xのデータに必要になった場合は、Classic環境で作業を行うことで対応できます。もし、Classic環境で対応していない作業の場合は、一時的に、オリジナルのグラフィックカードに戻せばよいだけです。あるいは、会社のPowerMac G4/1.2GHzで作業をすることも可能です。
以上のバックアップ体制を考えた上で、「Radeon 9800 Pro」を購入することに決心しました。

グラフィックカード入れ替え手順

オリジナルのAGPグラフィックカード
取り付けられている所(左)と取り外した所(右)

丁度「Radeon 9800 Pro」の購入を検討していた時、「Vintage Computer」が創業8周年記念で送料半額を実施していました。米国からの航空便(ヤマト国際宅急便)なのに990円(通常1,980円)となっていまいた。国内の宅急便とそれ程変らない送料です。その送料半額期間を使用して購入しました。
購入手続きをしたのが7月8日(日本時間)。商品が到着したのが12日でした。日本と米国との営業時間の差を考えたら3日程で到着です。早いものですね。

新しいAGPグラフィックカード「Radeon 9800 Pro」
オモテ(左)とウラ(右)。オモテにはファンがある。
右上にはファン駆動用電源のコネクターが付いている。

作業自体はまったく難しいものではありません。
既存のAGPグラフィックカードを外し、新しい「Radeon 9800 Pro」を差せばいいだけです。

「Radeon 9800 Pro」を取り付けた所

ただし、既存のAGPグラフィックカードにはファンが付いていなくて、「Radeon 9800 Pro」にはファンが付いているので、ファンを駆動するための電圧が必要となります。それも付属のケーブルで電源ユニットから「Radeon 9800 Pro」の基板コネクターに4ピンコネクターを接続するだけなので難しいものではありません。

「システムプロファイラ」で確認

無事にグラフィックカードを交換してMacを起動して動作確認です。 まず、「システムプロファイラ」の「ハードウェア」内の「グラフィックス/ディスプレー」でCore ImageとQuartz Extremeが対応しているかを確認しました。オリジナルのAGPグラフィックカードでは「非対応」だったのが「対応」となっています。もちろん、カードの名前も「ATI Radeon 9800 Pro」となっています。

Webブラウザー「Shiira」で
「ページ還移エフェクト」を確認

そして、実際にCore ImageとQuartz Extremeが動作しているのを確認します。
私がメインで使っているブラウザー「Shiira」には「ページ還移エフェクト」というおもしろい機能があります。これは、ページをめくるようにWebサイトの次のページを表示するモノです。オリジナルAGPグラフィックカードでは対応していませんでしたが、「Radeon 9800 Pro」ではしっかりと機能が動作しました。

「Dashboard」の波エフェクタも
動作確認

同様に、Dashboardの波のエフェクトも動作しました。

以上のように「Core Image」と「Quartz Extreme」の動作確認は無事終了しました。
その後、アプリケーションの起動時間やPhotoshopの描画時間を確認しましたが、「Vintage Computer」のBBSの回答のように、体感できる程の変化はありませんでした。
それを承知で購入したのですから不満はありません。「Core Image」と「Quartz Extreme」が動作することでOKとします。