先日の「ChatGPT search」が私の中で非常に好印象だったので同じ「AI検索」の「DeepSeek-R1」に期待をし、使ってみました。
セキュリティに関する懸念
「DeepSeek-R1」は、その性能と価格で世間に衝撃を与えました。一方で、中国発ということでセキュリティ面での懸念も多く聞かれました。
しかし私から言わせれば、今どき米国製だからセキュリティ面で安心・安全と思っているって人って、どれだけ世界政治に疎いのと思わざるを得ません。
米国は、民主党政権でも共和党政権でも、権力の力で個人情報を盗みまくっています。
「Facebook」や「Instagram」を運営する「Meta」や「Microsoft」、「Amazon」など、どの企業の個人情報収集も「FBI」や「CIA」に筒抜けといってよいでしょう。
セキュリティ面を重視している「Apple」からは直接個人情報を提供されないとなると、セキュリティ解除用ソフトウェアなどを使い端末から収集しています。
加えて、米国は自国内のみならず、EUやアジアの同盟国だけでなく世界各国の情報も盗みまくりです。
さらに、米国のIT企業は、自社のソフトウェアなどを通じて集めた個人情報を他社へ売り利益を得ています。
これらを考慮すれば、米国製だからと言って安全とは言い切れないのは明らかです。
また、純然にセキュリティ面を懸念するなら日本でインフラ化している「LINE」の方がヤバイですね。
何度も情報の漏洩がありながらまったく改善せず、総務省から是正勧告まで受けています。
「LINE」は、検索だけでなく個人間の会話や「LINE Pay」で金融関連の情報もあるので個人情報漏洩の影響は大です。
そんなセキュリティ面がユルユルなソフトウェアを使っていながら中国発というだけで「DeepSeek-R1」のセキュリティの心配をするのは本末転倒です。
一方、「DeepSeek-R1」は個人情報が収集されていたとしてもそれは中国国内に留まります。したがって、「DeepSeek-R1」が収集したデータが元になり西側企業からスパムが届くことはありません。
このように考えれば、中国企業のソフトウェアの方が個人情報流出のリスクが少ないともいえます。
「ChatGPT search」と「DeepSeek-R1」の比較
という考えを元に「DeepSeek-R1」と「ChatGPT search」の違いを知るため要約の比較検討をしました。
「Deepseek-R1」は中国発なので「天安門前事件」や「尖閣諸島」などには答えないと言われています。世界政治を知っていれば、それは想定内です。
では逆のパターンではどうでしょうか?
それを知りたくて「USAID」を質問の題材にしました。
「USAID」は2月にトランプ政権により予算停止された政府機関です。
この政治的な「USAID」の予算停止問題を「DeepSeek-R1」と「ChatGPT search」がどのように要約するかに興味がありました。
米国発の「ChatGPT search」、中国発の「DeepSeek-R1」。
政治的に対立している両国の「AI検索」がどのように振る舞うのかがチェックポイントです。
「ChatGPT search」の回答は下記でした。
「Deepseek-R1」の回答は下記でした。
「ChatGPT search」が「USAID」のプラス面での意義だけを回答し、トランプ政権が問題にしている点には触れませんでした。
一方、「Deepseek-R1」はトランプ政権から批判されている点まで要約に提示しています。
この質問に関して「AI検索」の正確性としては「Deepseek-R1」の方が優れているといえます。
政治的側面から見れば、「ChatGPT search」は「USAID」を批判しないバイアスがかかっているのに対して、「Deepseek-R1」は「USAID」を批判している声も取り上げて公平さを担保していることを示唆しています。
ローカルLLM化
この結果を得ても、中国政府の個人情報収集を危惧するなら「Deepseek-R1」をローカルLLMで利用することで回避できます。
「Deepseek-R1」は、オープンソースなのでダウンロードし中国国内にあるサーバーを使用せず自分のローカルな環境で利用することが可能です。
幸い、日本語対応したローカルLLMを「Cyber Agent」が提供しています。
このローカルLLMなら個人情報の流出を気にせず、かつ日本語で「Deepseek-R1」を利用できます。
対照的に、クローズ仕様の「ChatGPT search」はローカル環境で利用することはできないので、米国政府や他企業への個人情報の流出を防ぐことはできません。
ローカルLLMの利用を考慮すれば、「ChatGPT search」よりも「Deepseek-R1」の方が安心・安全です。
「M1 Mac mini」環境では無理だった
ローカルLLMで「Deepseek-R1」を利用できると知ったので私の「M1 Mac mini」で利用しようとしました。
しかし、「M1 Mac mini」ではまったく無理でした…
「ターミナル」ではなく一般的なウインドウ形式の「LM Studio」に最軽量のローカルLLMをダウンロードしましたが、最軽量でもメモリー8GBの「M1 Mac mini」では動作不可でした。
https://lmstudio.ai
メモリー8GBでも、「Photoshop」「Illustrator」「InDesign」などならまったく問題ありません。
でも、「AI検索」は「GPU」をメインに使う仕様なので「M1 Mac mini」のスペックでは実力不足のようです。
昨年発売の「M4 Mac mini」は最低メモリーが16GBになったので、ローカルLLMを利用するなら「M4 Mac mini」に買い替える必要がありそうです。
まとめ
「ChatGPT search」の使用を始めてまだ短期間ですが、徐々に日々の検索が「キーワード検索」から「AI検索」に移行してきています。
最初の印象だった「『AI検索』の方が便利!」が間違いではなかったという思いが強く名って来ています。
今後、「ChatGPT search」、「Deepseek-R1」に続く新たな「AI検索」ツールがリリースされるでしょう。
次々にリリースされる「AI検索」。どれを使ったら自分にとって一番便利かを見極めるのが楽しみです。
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