「iOS18」で使用可能になった「ライブ留守番電話」

「iOS 18」にアップデート

9月16日、「iOS18」がリリースされました。
多くのITメディアやブロガー、「You Tuber」が「iOS18」の注目機能を紹介しています。
そんな状況ですが、私が注目しているのになかなか紹介されないる機能があります。
それが、「ライブ留守番電話」。簡単にいうと、「iPhone」本体だけで行える留守電機能です。
キャリアが提供している有料の留守電サービスを利用しているユーザーもこれに移行することで無料になります。
また、「ahamo」のようにそもそも留守番電話サービスを提供していない回線の場合、「ライブ留守番電話」の利用で無料の留守電を獲得できます。

私の通話環境

「iOS 18」の「ライブ留守番電話」が話題に上がらないのは、スマホを使って留守電が必要なユーザーは既にキャリアの留守電サービスを利用しているからでしょう。

以前から記しているように私は「iPhone」で通話をほとんどしません
そのような私の環境ですが稀に着信電話があります。でも、ほとんどは急ぎの電話ではないし、自分の時間を潰されたくないので電話には出ません。
着信した電話に出ないため一般ユーザーとは異なり留守電機能が必須となっています。
電話はしないとはいいながら稀に発信しなくてはならない場合があります。その時気になるのが通話料金です。
留守電サービスがあり通話料金が安いとの条件にあるとして私が利用しているのがIP電話。その中で私が長く利用しているのが「050 plus」です。
「050 plus」は、ケータイへの通話料金が17.6円/分、固定電話への通話が8.8円/3分。キャリアの22円/30秒より断然格安です。
IP電話なので通話品質はキャリアのVoLTEよりも悪いですが、ビジネス上の重要な通話はないので私の環境ではベストな選択と考え利用しています。

しかし、そんな「050 plus」が2023年6月に新規受付終了のリリースを発表。「050 plus」の長いユーザーだったのでこのリリースには驚きました。
早急なサービス終了はないとは思いますが、将来のサービス継続に危険信号が立ってきたのは事実。このような環境変化に伴い「050 plus」後を考える必要性を感じました。
同じIP電話の「LaLa Call」なども検討しましたが、フィットするのは見当たらず継続した検討課題となっています。

そのような「050 plus」後が見つからない状況の中、「iOS 18」で搭載された「ライブ留守番電話」。「050 plus」後の代替えのひとつになるのではないかと考え検証することにしました。

回線の種類

まず、「ライブ留守番電話」機能はどのMNO、MVNOで対応しているのかが疑問でした。
MNOの「docomo」、「au」、「SoftBank」、「楽天」の4キャリアは問題ないでしょうが、問題はMVNOです。
仕様の違いで「ライブ留守番電話」機能に対応していないMVNOがありそうな気がします。
しかし、各MVNOが対応しているか否かを明示していません。
そのため、自分が利用している回線が「ライブ留守番電話」機能に対応しているかは各自が確認しなくてはならない状況です。

現在私が契約している回線は、「au」のサブブランドの「UQ mobile」とMVNOの「日本通信」、および「au」のオンライン専用プランだが少々立ち位置の異なる「povo2.0」の3回線。
「UQ mobile」は「au」のサブブランドなので対応しているのは間違いないと思っていますが、検証が必須なのは「日本通信」と「povo2.0」です。

「iOS18.0」にアップデート

「ライブ留守番電話」機能を検証するため「iPhone 15 Pro」を「iOS 18.0」にアップデートします。
「ライブ留守番電話」機能を使用可能にするのには「設定>アプリ>電話」から「ライブ留守番電話」を「オン」。これだけでOKです。

「ライブ留守番電話」機能は「アプリ」の「電話」内にある
「ライブ留守番電話」機能は「アプリ」の「電話」内にある
「ライブ留守番電話」機能をオンにする
「ライブ留守番電話」機能をオンにする

MVNO回線での検証

「ライブ留守番電話」の動作は下記の通りです。
「ライブ留守番電話」をオンにした端末に発信すると、発信元の電話アプリ(私は「050 plus」)に呼び出し音がします。通常の通話の動作です。
約15秒後に留守電のアナウンスに切り替わります(切り替わりの設定秒数は変更できないそうです)。
留守電のアナウンス後、メッセージを吹き込みをするのも通常の留守電と同じです。

「iOS 18」にすると「電話.app」の右下に「留守番電話」ボタンが追加される
「iOS 18」にすると「電話.app」の右下に「留守番電話」ボタンが追加される

留守電メッセージは、「Apple」純正の「電話.app」で確認します。
「電話.app」の右下にある「留守番電話」アイコンをタップ。
「留守番電話」画面に留守電メッセージ一覧があります。
聞きたいメッセージ項目をタップすると該当録音データ画面になります。
上部の三角のアイコをアップで録音の再生。
また、録音データの下には「文字起こし」項目があり、ここに録音された音声データが文字起こしされテキストとして表示されています。
電車内など音声再生できないような環境の場合に便利です。

留守電メッセージは「留守番電話」アイコンをタップする
留守電メッセージは「留守番電話」アイコンをタップする
留守番メッセージは音声と同時に「文字起こし」もある
留守番メッセージは音声と同時に「文字起こし」もある

私の「iPhone 15 Pro」はメイン回線とサブ回線がありますが、留守電メッセージは回線別ではなく時間順に表示されます。
さて、次に各回線の検証結果です。

「UQ mobile」での検証

「UQ mobile」
「UQ mobile」

「UQ mobile」は「au」のサブブランドです。
一般的なMVNOではないのでMNO同様の扱いになるので「ライブ留守番電話」には当然対応しているとは思いますが、安心はできません。そのため検証しました。
その結果、無事に対応していることが確認できました。

「UQ mobile」の通話定額「通話放題」は、1,980円(税込)ですが、60歳以上は永年1,100円引き880円(税抜)「通話放題」というプランがあります。
60歳以上なら負担はかなり軽減しますが、留守電は有料で月額330円かかりますので、「ライブ留守番電話」を利用するメリットはあります。

「日本通信」での検証

「日本通信」
「日本通信」

次は歴史あるMVNOの「日本通信」。「日本通信」は「docomo」回線のみのMVNOです。
「日本通信」も問題なく「ライブ留守番電話」が動作しました。

「日本通信」の最低プランは、「シンプル290プラン」で月額料金290円(税込)です。
通話定額として月70分390円が提供されています。超過後の通話料は11円/30秒とキャリアの半額と格安です。
ただし、留守電は有料で月額330円。なので、「UQ mobile」同様「ライブ留守番電話」を利用するメリットはあります。

「日本通信」回線で利用できたことで、「ライブ留守番電話」機能がMVO限定ではなく条件が合えばMVNOでも対応可能ということがわかったのは朗報です。

「povo2.0」

「povo2.0」
「povo2.0」

一方で、維持費0円で回線維持が可能で利用時のみトッピング購入するという「au」のオンライン専用プランでありながら立ち位置が異なり、かといって通常のMVNOの仕様とも異なる「povo2.0」。
仕様が独特なのでイレギュラーとして検証する必要がある回線です。

検証するポイントはトッピングなしで0円運用時で「ライブ留守番電話」機能の留守電が利用できるかです。
その条件で「ライブ留守番電話」の検証を試みたのですが、そもそもトッピングなし運用では通話がつながりません
0円運用時でもデータ回線は128kbpsでつながりますが、音声回線はNGの仕様のようです。
0円運用中でも受信だけがOKだったら「ライブ留守番電話」が利用できサブ回線の利便性がこうじょうたのですが、そうは問屋が卸しませんでした。

まとめ

以上のように、MNOだけでなくMVNOでも「ライブ留守番電話」機能は使えることがわかりました。ただし、すべてのMVNOが対応しているかは不明なので各MVNOごとに確認は必要です。
また、MVNOが提供している留守電サービスも有料が多いので「ライブ留守番電話」機能は有効な機能だと思います。

一方で、MVNOも通話料金はキャリアと同じ22円/30秒だったりするので(「日本通信」は半額)「ライブ留守番電話」を使えても、発信を考えると「050 plus」の代替えになるとは必ずしもいえないのが難しいところです。

まだ「050 plus」のサービス終了まで時間があるので、引き続き代替えを検討したいと思います。